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分科会A <「観光地づくり」とは「まちづり」>

 

担当パネリスト 広野敏生

 

○広野

滋賀県は、琵琶湖という大変素晴らしい資産があります。それだけに、それを支えるに足る力が町にあるかどうかが問題になってきます。町の人同士のつながり、人と人とがしっかりつながっていなければ、どんなに素敵な自然や町並みも、そして立派な施設やイベントも、すべてを支えていく能力はその町にはありません。そうならないためには、どう考えどうしたら良いかというのが今日のこれからのテーマです。

今日は、まず皆さん方からいろいろなお話をお聞きしたいと考えています。それぞれが住んでいらっしゃる町、あるいは所属なさっている組織・企業が、どうやれば元気になれるかということをキーワードに、お悩みを聞かせ願えれば大変ありがたいと思います。

○参加者(北村・近江八幡観光ボランティアガイド協会)

悩みというのは、ボランティアガイドのほとんどが、年配の方や定年退職をされた方であるということです。やはりボランティアなので、時間的、金銭的な面から若い方たちがやってみようという気持ちになれないでいるのが現状です。現在、一線で活動されているのは、60から70代の方なので、その後を継ぐ方たちを育成していくにはどうしたらいいのかと思っています。

○参加者(成田・成田美術館)

私はこの長浜市に今年の5月に小さな私立の美術館をオープンしました。

展示してあるものは、私が40年ほどかけて、好きで収集してきたアール・デコ期のルネ・ラリックという方の作品です。

お見えになる方は、大体、噂を聞いて、来てくださる大都会の方です。リピーターの方も結構お出でくださいますが、市内の方は、あまり見に来てくださいません。私どもは個人の美術館ですから、すべて自分でやっています。市の関係の建物や公立の施設というのは入場料が100円とか200円と安いのですが、私どもにみえた市内の方は、「えっ、お金がいるんですか」とおっしゃる方がものすごく多いのです。もう少したくさんの方に来ていただければいいと思いますが、やはり皆さん黒壁のほうに目がいきます。黒壁を見終わってから来てくださって、非常にこれはいいとおっしゃる方もいらっしゃいます。

ぜひ皆さんにもお出でいただきたいと思います。

○参加者(佐藤・徳島県観光交流課)

私の悩みは、大きく言ってしまうと県全体の悩みになるかもしれません。先ほど滋賀県さんは県の面積のかなりの部分が琵琶湖で占められていて、それはいい面も悪い面もあるというお話がありました。徳島県の場合はほとんどが山間部で、過疎の問題が非常に観光以外の面で危倶されてきています。

私は観光の仕事をしており、主に宣伝、誘致という仕事をやっています。最近、グリーンツーリズムとか、エコツーリズムという言葉をよく聞きます。そういったものを過疎地域の中山間地域とか、山間部の過疎の地域に取り組んでいくことによって、地元の何らかの過疎対策や、地域づくりにもつながっていくのではないでしょうか。

 

 

 

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