観光業の推進を通じて我々は次のようなことを体得しました。
1. 観光業の推進を通じて各国の人との間に相互理解を促進し、友情を深め、世界平和に寄与できる。
2. 観光業の推進は中国の更なる改革開放を促進し、外資を導入する機会をより多く与え、経済発展の推進力となる。
3. 観光業は比較的に大きな連動機能があり、相関産業の発展に役立つ。
4. 観光業は労働力密集型産業で、雇用の機会を増やすことができる。(1997年現在、観光業に直接携わっている人は134万人、間接的に携わる人は670万人にものぼる。)
5. 観光業を発展させることによって貧困地域の経済発展を促進することができ、地域間貧富の格差を是正することができる。
滋賀県の姉妹都市は湖南省ですが、湖南省西部には山林地帯があり、そこに約3,000本を超える巨大な珪岩の柱が林立しています。1984年にこの美しい景勝地を発見し、武陵源と命名しました。92年には世界自然遺産に登録されました。以前はこの地域は大変貧しかったのですが、現在は空港も、道路もケーブルカーも近代的なホテルも整備され、国立森林公園にも指定されました。来年中国では、生態環境観光をテーマに観光業を展開しますが、中でもこの武陵源を重点地域として推進していくことになっています。観光業が発展することに伴ってこの地域は貧困からの脱出を図ろうとしています。
中国の観光資源は大変豊富です。整備することによって全国の約千以上の地域が海外の観光客を誘致できる観光地となります。
1. 歴史、文化を観光のスポット地として
中国は5,000年の文明の歴史があります。北京、西安、開封、洛陽、安陽、南京、杭州など7つの古都及び全国99の歴史文化都市には多くの文化遺跡が保存されています。これらの文化財を展示する博物館の中で比較的に有名なものに、北京故宮博物院、西安の陜西歴史博物館、上海歴史博物館、鄭州の河南博物院があります。また、万里の長城、大運河、都江堰、吹児井(カレーズ)など中国古代四大プロジェクトもあります。昨年12月までにユネスコに認証された世界文化遺産は周口店北京原人遺跡、万里の長城、故宮、承徳避暑山荘、敦煌、秦の兵馬踊、孔子廟、ポタラ宮殿、楽山大仏、蘇州庭園、平遥古城、麗江古城などがあります。
2. 豊かな自然を観光のスポットとして
中国の面積960万平方キロメートルある広大な土地は日本の26倍です。地域は幅広く、自然景観も大変奇抜で美しい。全国には標高8,000メートルを超える高山は7つあります。雲南省の玉龍雪山は主峰が5,596メートルで年中冠雪しており、北半球最南端(赤道に最も近い)の現代海洋性氷河です。そこへは現在ケーブルカーを2本整備しており、年中観光客を受け入れています。桂林の璃江、新彊ゴビ砂漠、内蒙古の草原などへも数え切れないほどの観光客が訪れました。ユネスコに登録している世界自然遺産は黄山、武陵源、九寨溝、武当山、峨媚山、泰山、盧山などがあります。