日本財団 図書館


報告及びまとめ

 

○広野

私の考えるものと、皆さんが企業、第3セクター、行政として考えておられるものの、溝を埋めることはできなかったというのが実感です。皆さん方は、約1年単位での成果、例えばどれだけの人が来たかとか、どれだけの収益が上がったかという、イベントそのものの評価しか考えておられない。私のほうは基本的な部分をしっかり構築しなければならないと考えるのです。だから皆さんの考えておられる部分で、何とか時間を持って取り組んでいただける方向性はないものか。これから皆さんが展開していかれる各論に期待を寄せたいと思いました。

○清水

まず、「黒壁」が成功したと言えるかどうかはわかりませんが、非常に多くの人を集めることはできました。全く長浜に縁もゆかりもなかったガラスを取り入れたこと。地場のものにこだわりすぎなかったところがよかった。また、株式会社「黒壁」という第3セクターは、現在4億4,000万円の出資のうち、行政は1億4,000万円、3分の1にもならない状況で、民間が主導を取っている状況であるということ。そして100人の従業員のうち、95名が女性であるということ。生え抜きの30代の取締役が2名誕生しており、課長、部長はすべて女性です。自分の地域経営という視点の中で会社を見られるかどうかというところも非常に大きいと思います。

さらにそれを支えるだけの地域の中での人のネットワークがあるかどうか。皆さんのやる気がどれだけ充満するか、はっきり言って、それが、新しい展開が成功する一番のキーワードになるのではないだろうか、そんな気がしました。

○高崎

三重というのは何でもあるということ。これがメリットであり、悩みであるということでした。新しいものもあれば、当然古い観光資源もある。だからいろいろな人に対していろいろなものが提供できるにもかかわらず、逆にそれだけあるからターゲットが絞れていないのです。三重県で言えば、やはり、観光地という部分ではあくまでも地域地域の独自性を生かしてローカリーに、しかし旅行のスタイルに関しては限りなくグローバルに、世界共通のスタンダードに近い形でやっていくことが今後必要ではないかということを、私自身として実感しました。

○目崎

「癒しの土地」というのがあります。ピーリングというか、癒しの世界という視点から見ると、世界の森を持った聖地というのは、森と海と川があり、自然を地球環境問題の時代の中でアピールできる聖地は、私は伊勢神宮をおいてほかにはないと思うのです。

これから日本が変わるのに、伊勢神宮も同時に変わらない限り、日本の精神性が変わらなければ、日本全体は変われる訳はありません。これを機会に大いに議論をしていただきたい。三重の方々は、この地が日本を変える、同時にそれは世界を変える大きなきっかけになる地点であるということを意識して、それぞれの世代で頑張っていただきたい。それぞれの場でまちづくりなり、あるいはイベントなり、さまざまな観光資源の開発をしていただきたいと思うのです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION