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○参加者(中西・おかげ横丁)

私どもの施設は平成5年7月に開業しました。私企業で、招き猫の祭をしたり、夏の祭をしたり、太鼓芸能祭を開催しています。イベントを起こし、賛否両論を取りまとめる、もしくはあえて反対論を引き出してきて、それをいい方向にもっていくことのできる人材が必要だと思います。

○広野

野外音楽劇を完成させるにあたって、3年間に市民の代表10数名と、市の人1人、そして私で、ワーク会議を月に2回ずつ行いました。役所の人はほとんど発言をせず、すべて市民の代表の人々が発言しました。私も前半半分は役所の人と同じように聞き役に徹しました。最初は不満と夢のようなプランばかりが続出し、現実的な話にはなりませんでしたが、会を重ねるごとに、誰がやるのでもなく自分がやらなければ何もはじまらないことを皆が自覚していきました。役割と責任を明確に持ったミニ市長がたくさん誕生したわけです。

その3年間の会議は、無駄なようでものすごく大切でした。何をやろうかということだけで、3年間盛り上がりました。みんなが元気になるための仕掛けを起こすためには、その土壌をつくるためには、これくらいの期間がかかるということです。

反対に私から質問したい。おかげ横丁の人たちが一生懸命力をかけていらっしゃるが、伊勢市以外の市民たちとの関わりはどうなっていますか。市民たちからすると、そこだけ遊離されたゾーンとして存在していて、関わりのない中で、ある種の冷やかさというものが出ていないでしょうか。逆にそれを核に伊勢市民との関わりが何かできないでしょうか。

○参加者(続)

おかげ横丁は6年目に入り、再スタートの年だと思っています。立ち上げるまで数え切れないほどの会議をやりました。昭和48年のご遷宮が終わった段階から企画を立ち上げたものです。基本的な考えは、「建物と商品と人の3本柱でお客様に感動を持ち帰っていただく」ということです。これは県外から来られた方に対しての考え方が中心になっています。ただ現状は地元の方々が多い。それはそこに行けば地元の人が観光客の気分になれるということで、非日常的な感じを持てるからだと思います。しかしまだ市民の皆さんにステージとして使っていただくというところまでは至っていません。

○参加者(佐藤・滋賀県長浜市)

私は大分県の湯布院から出向しています。一般的に新たにイベントを立てるとなると、ロコミ広報では多大なる時間を費やしてしまいます。では、どんな形でポスターやパンフレットを配るかというと、それには3つのやり方があります。1つは何千万規模というお金をかけて広告代理店に頼むというやり方、これはイベントではなくショーとしてのまちおこしになります。2番目は、自分たちでPRをすること。しかし、何万部のポスター類が全国に回るということは難しい。3番目は、ロコミが難しければメディアに頼むことになりますが、メディアになると非常に偏った情報が流れる可能性がある。またコストが高くつきますが、その点、どうお考えでしょうか。

○広野

過去、広告代理店と一緒にやったケースも多々あります。まちおこしがもちろん主目的ですが、その成果をどこで見るかです。集客を目的にやった場合は、必ず大量のPRを時間軸の中で早急にやらなければならないという問題があります。ところがむらおこし、まちおこしの中で物事を考えていった時に、まちが元気になる時間などは、計れるはずがありません。

 

 

 

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