日本財団 図書館


ご挨拶

 

財団法人アジア太平洋観光交流センター

理事長 山下哲郎

 

財団法人アジア太平洋観光交流センターによる「観光に関する学術研究論文」募集は今回で早くも4回目を迎えました。

当財団は、世界観光機関(WTO)アジア太平洋事務所の活動支援および我が国とアジア太平洋地域の観光交流促進、観光振興にかかわるさまざまな事業を展開してきております。この学術振興事業もその重要な柱として位置付けております。

今回も多くの力作が寄せられましたが、今年の特色は留学生の方をはじめとする外国籍の方々の応募、入選により国際的な広がりのある事業の色合いを濃くしてきたと思います。また、テーマも旅行行動形態、政策研究、エコツーリズム、具体事例の検証など非常に幅広く、実証的で密度の高い応募が多数寄せられたことです。

WTOの発表によると1997年は、タイ・バーツの下落にはじまるアジアの通貨危機、アジア経済停滞により、世界全体で国際観光客数は6.13億人国際観光収入(航空運賃は除く)は4,440億米ドルにとどまりましたが、アジア全体の経済の底入れが見られる兆候がみうけられるようになりました。このような中で21世紀を目前にして、我が国においては、歴史的文化遺産保全、環境保全との調和のとれた観光開発や観光振興が、経済活性化、地域振興の面からますます重要視され、そのための理論的バックボーン、実践的アプローチとしても観光学の確立、発展が望まれています。

観光学は学問としては未だ発展途上であり、その裾野は、さまざまな学問に渡っていますが、当財団の「観光に関する学術研究論文」事業が、観光学の構築と発展の助となることを祈りつつ今後もこの事業を育てていきたいと考えています。

今回入賞された方々に心よりお祝い申しあげますとともに惜しくも入賞を逃された皆様方にも、ご多忙の中、力作をお寄せいただきましたことを深謝いたします。

 

 

 

目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION