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各空港への到着客数については、1998年現在でダマスカス618,179人、アレッポ83,579人、カミシリ7,166人、ラタキア1,001人、デリゾ-ル193人であり、到着便数や貨物量と共にダマスカス空港が群を抜いている。(図4-14)

航空機材については、シリア航空はボーイング社のB727-200、B747-SP及びトゥポレフ社のTU-134、TU-154を所有している。現地調査の際利用した航空機TU-154については、ダマスカス〜イスタンブール間を利用したが、事前予告も、途中の状況説明も無いままに3時間余も遅れ、機内では殆どの客席の上方でエアコンの冷却空気が霧状に吹き出る状況であり、乗っていて不安を感じる場面があったが、整備を含む保安面をはじめ、今後サービスの向上が望まれる。

 

図4-14 空港利用状況(1993年)

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・日本との航空輸送

1998年8月現在、シリアと日本を結ぶ直行便は就航していない。シリアヘのルートは大きく分けて2つ、ヨーロッパを経由して入る方法とアジアを経由する方法である。

日本とヨーロッパの間には毎日沢山の便があり、ヨーロッパ各地とシリアを結ぶ便も多い。日本とヨーロッパ間は直行便で約12時間、ヨーロッパ各地とシリア間は比較的遠いロンドンからで約5時間で、乗り継ぎ時間を除けば正味16〜18時間となる。

アジア経由ならば、インドやパキスタン、スリランカなどの南アジア、アラブ首長国連邦やバーレーンなどの湾岸諸国を経由する方法があるが、南アジアへは日本から直行便があるものの便数が少なく、更にそこから先の便もすくないので乗り継ぎが不便である。

シンガポールにはアンマンとの間に週2便(ロイアル・ヨルダン航空)、ベイルートとの間に週1便(ミドルイースト航空)の直行便がある。また、バンコックはアンマンと週3便(ロイアル・ヨルダン航空)、クアラルンプールとジャカルタはアンマンと週2便(何れもロイアル・ヨルダン航空)、それぞれ直行便で結ばれている。従って、ヨルダンの訪問も合わせたツアーならばアジア経由でアンマンから入っていく方法もあろう。

この他不定期チャーター便も日本とシリアの間では報告されていない。中東地区に特化した旅行会社の話しでは、シリアヘのパッケージツアー客をヨルダン航空のチャーター便でアンマンへ運び、そこを基点とした2〜3国(ヨルダン・シリア、ヨルダン・レバノン等の組み合わせ)のツアーは過去に実施された。日本からシリアへの直行便が開設されれば日本人観光客の伸びが期待できる。

 

 

 

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