あとがき
運航管理地上支援システムを適用し得る小型航空機として、我国で利用密度が高く安全飛行を要請されているヘリコプターを対象として、研究を進めることとした。昨年度における、現在計画あるいは試験運用されているシステムの調査結果から、人工衛星の利用によって、錯綜した地形、環境においても有効なシステム構築が可能といえる。
この結果をうけて、現在利用できる航法機器としてGPSによる表示装置を、また通信機器としてACARS対応のVHFデータリンクを用いて試験評価用システムを構築することとした。
本年度は、運用評価試験用地上設備の設計製作並びに接続試験を行うことができた。またこれに対応する試験用機上設備として、VHF通信機の準備を進め、問題となるような干渉などのないことを、予備飛行試験によって確認した。
次年度以降において、小型航空機用の簡易運航管理支援システムの雛形となる空地通信システムを構築し、試験評価を行うこととしたい。
これによって、小型航空機の利用が益々増大するとともに、航空機の安全運航、緊急時における迅速な対応のために重要なシステムの基礎が表象できよう。