5.2 平成10年度の動作確認テスト結果
本年度においては、小型機運航のための地上支援システムのあり方に関する方向性を検討していくための地上評価装置を試作すること、また、機上評価装置の改修設計を行うことを目的とした。そのため、地上側については本年度試作した地上評価装置の動作確認試験を実施し、来年度評価試験を行う上で必要となる機能が正常に動作するかどうかについて確認した。機上側については、来年度改修を加える予定となっているOrbital Science社のカタログ製品であるACARS通信機CNS-12の機能確認および実機搭載状態での電波干渉テストを実施し、来年度の改修に向けての問題点の洗い出しを行った。
以下に動作確認テスト結果の概要を示す。
5.2.1 地上側動作確認テスト
試作した地上評価装置の動作確認を行うために、単体テスト、開発評価用JDLC連接テスト、ならびに遠隔通信テストを実施した。これらの試験結果について以下に記述する。
(1) 地上評価装置単体テスト
地上評価装置については、通信システムにおいて最も対応困難な問題となる可能性の高い通信ボードに関する動作確認試験を、アビコムジャパン開発評価用JDLCとの間の連接試験により実施して、正常に動作することを確認した後、開発に着手した。開発した試作システムに対しては、開発の進捗とJDLC通信試験の日程を考慮して、平成10年10月と11月の2度に分けて単体テストを実施した。11月の試験は10月以降に追加した機能の動作確認を行うために実施したもので、通信モジュールとは無関係な部分に対する単体試験であるため、これらの機能の追加に対するJDLC連接試験は実施していない。
地上評価装置単体テストの試験項目ならびに試験結果を表5-2に示す。また、本テストにおける機器接続構成を図5-2に、試験風景を図5-3にそれぞれ示す。なお、本単体テストにおいて挙げられた性能向上項目等は表5-3に示す通りであり、これらの項目は単体テスト後改修し、本システムに反映されている。