4.7.5 気圧高度計校正
気圧高度計校正は気圧高度計補正量を求めるための処理で、測位方法が故障検出・排除及び故障検出のとき実行される。
先ず測位結果の垂直方向の誤差(σvc)と校正された気圧高度計のデータの誤差(σbaro)を求め、σvcがσbaroより小さい場合にいくつかの条件を満たした場合、気圧高度計補正量の更新(校正)を行う。
1) 測位結果の垂直方向の誤差(σvc)計算
GPS衛星のみの測位結果のVPLFDを計算する。このとき
誤警報確率:0.05以上
未警報確率:0.32を超えない
を条件とする。
2) 校正された気圧高度計のデータの誤差(σbaro)計算
GPS測位結果による校正後、種々の要因を加味して気圧高度計のデータの誤差(σbaro)を推定する。この値は気圧高度計データを測位演算に使用する際のウエイト計算のためにも使用する。
σbaroは以下a)〜d)を求め、
a) σvc :校正を行った時点の測位結果の垂直方向の誤差
校正の時点での1)の結果が記憶されている。
b) σh :校正位置からの水平方向の距離のよる誤差分で、0.5m/nmiと規定されている。(MOPS Gl.2項)
c) σt :校正時刻からの経過時間による誤差分で、15mr/hrと規定されている。(MOPS Gl.2項)
d) σt :校正を行った高度からの高度変化による誤差分で、MOPS TABLE G-2及びG-3に従って求める。
3) 校正可否判断
以下の条件が満たされた場合、校正を行う
a) 測位が行われており、故障検出の結果が正常であること。
b) 気圧高度計のデータが入力されていること。
c) σvcがσbaroより小さいこと。
このとき、
・GPS測位結果の高さデータと気圧高度計のデータとの差を求め、気圧高度計補正量として記憶する
・σbaroをσvcに初期化し、校正位置、校正時刻、校正高度をそれぞれ現在の位置、時刻、高度に書換る。