2.3.5.2 測位演算タスク
信号処理部がUTC時刻に同期した200msec毎のデータの出力を完了した後、信号処理部から起動がかけられる。
時刻管理、測位演算、データ入出力を順に実行する。
1) 時刻管理
GPS時刻の管理とWAAS航法メッセージの有効時間の管理を行う。
a) GPS時刻を管理する。
GPS時刻は
・週番号 GPSメッセージ中のWeek Noに相当 0..1023
・週内時刻 GPSメッセージ中のTOWに相当 0..604799
・6秒カウンタ6秒周期のカウンタ 0.0..5.8
に分割して管理されている。
測位演算タスクが0.2秒周期で起動される度に6秒カウンタを0.2秒カウントアップする。結果が6秒になると、週内時刻をインクリメントし6秒カウントを0にリセットする。週内時刻の管理も同様である。
GPSメッセージ中のWeek No及びTOWを受信した場合、週番号、週内時刻を受信したデータに一致させることによって、受信機の時刻を校正する。
6秒カウンタの校正は、受信機基準時刻と測位演算部が出力するクロックオフセットから行うことができる。
b) WAAS航法データの有効時間の管理
高速、長期、電離層補正用のデータをはじめ、WAASメッセージはその殆どが有効時間が定められている。これらはデータそのものと、有効時間情報を併せて持っている。
WAASメッセージ編集ではWAAS航法データを書込む際、各データ毎に定められたデータ有効時間を有効カウンタに記録する。時刻管理では一定周期毎に有効カウンタの値を減ずる。"0"以外であれば当該データを使用することが出来る。
2) 測位演算
以下の処理を順に実行する。
a) 観測した擬似距離、衛星位置をもとに、MOPS2.1.1.5.1項及がAppendix Iに定められたステップエラーの検出を行う。
b) 各衛星毎にWAAS HEALTHY/UNMONITOR/UNHEALTHY及びGPS HEALTHY/UNIEALTHYの判定を行い、SETl、SET2の分類を行う。
c) 補正情報の有無等を考慮し、測位演算の方法を決定する。
d) 観測したデータに、ディファレンシャル補正を施す。
c) HPLWAAS、VPLWAAS及び最小自乗演算に使用するための各衛星の誤差(σ2、w)を求める。
f) 誤差をもとに、各衛星のウエイトを加味した、加重最小自乗測位演算により、推定位置を求める。