3) ナローコリレータ方式への対応
高精度のデイファレンシャル測位を実現する上で、マルチバスの影響は大きく、これをを如何に抑えるかが、一つのポイントとなるので、機上受信機においても将来対処出来るようハードウェアで考慮を行った。
マルチパスの影響を低減する技術はいくつかが知られているが、代表的なものはその原理を以下に示すナローコリレータと呼ばれるものである。
正確な擬似距離を観測するためには、受信した信号と受信機内で発生させたC/Aコードとの相関をとり、その出力が最大とする必要がある。
コード追尾はこの最大の相関出力を検出、維持しなければならないが、直接相関最大の点を求めるのことは出来ず、相関最大と考えられるコード位相の前後で相関をとり、両者の出力が等しくなるようにする。このときその中心に相関最大の点が存在するものと考えている。(図2.9 b) 参照)
相関最大の前後で相関をとるためには中心より進んだ位相を持つC/Aコード(これをEarlyと称している)と遅れたもの(Late)が必要で、両者の差をスペーシングと呼び、C/Aコード受信機では1チップにとるのが一般的である。