日本財団 図書館


4.4.4 「3T構成」への対応

 

3T構成に特有のハンドオフメッセージについて以下に述べる。

(1) 3Tに於ける自動周波数切換動作原理

地上局が特別なセクターをサポートしていない場合、航空機は、単に信号品質の良い地上局と通信することが望ましい。航空機の位置と地上局の位置関係から最も望ましい局へ接続する制御を行う事も可能である。リンクマネージメントを単純化するため、3Tモードでは、航空機側が主体的に信号品質の良い地上局を選択できる。このため、ハンドオフ・チェック・メッセージを使用している。(SARPs F.2.6参照)

3Tモードで作動する各地上局は、同一時刻にハンドオフ・チェック・メッセージを自らの周波数で送信する。このメッセージには地上局を示すGround Station Codeとともに10ビットで表された隣接周波数(4種類)が含まれている。機上局はこの情報を基に隣接チャンネルの周波数を探索する。この動作を説明する。(図4.4.4-1参照)

図に於いて、航空機は、地上局f1の覆域にある。この状態でMACサイクル#1のハンドオフ・チェック・メッセージ(H)により隣接する4つの周波数を知る。機上局は、次のMACサイクル#2のハンドオフ・チェック・メッセージ送信期間のみ受信周波数をf2に合わせ、地上局f2からのメッセージを受信する。このとき、受信信号品質を記憶する。さらに、次のMACサイクル#3ではf3の周波数に同調し、同様に信号品質を記録する。以下同様に4つの隣接周波数に対し信号品質を測定する。この一連のシーケンスは5MACサイクルを要する。すなわち、1サイクルが機上への指示用であり、残りの4サイクルで周波数チェックを行う。

もしも、隣接する周波数が4つ以上存在する場合、地上局は少なくとも5サイクルに一回周波数データを入れ換える。これにより機上局は自分のネットの周波数を受信する毎に新たな周波数を知ることができる。
ハンドオフ・チェック・メッセージが送信される時間帯は、どのネットにおいてもユーザー情報との干渉が無い。言い換えれば、ネットに制約されない自由な時間帯である。したがって、前述した隣接周波数のチェック処理を行っても、通常の通信に支障を来たすことはない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION