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3.2.4 シミュレーションでのシステム構成

 

モード3のシステム構成は、標準レンジ4種及び拡張レンジ3種の計7種がSARPsで規定されている。これらシステム構成の運用における使用方法(周波数の割り当て等)についての規定はなく、各システム構成の使い分けは明確にされていない。ここでは、前項に示したシミュレーション・シナリオをシステム構成に当てはめて検討を行う。

モード3の利点の1つである“周波数の有効利用”について考えた場合、周波数が混在している空港付近では、モード3は大変効率の良い通信手段と考えられる。表3.2.4-1にシナリオ・データでの通信種別一覧を示す。

 

表3.2.4-1 シナリオ・データでの通信種別一覧

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本来の空港付近における通信種別は、航空機トラフィックの量及び空港の大きさ等により異なるが、ここでは、考え方を単純化するためにシナリオ上の通信種別について考える。

表3.2.4-1における通信種別を現行のシステムで行う場合、ATC<5周波数>、ATIS<1周波数>及びAOC(航空会社の数分)<3周波数:JAL、ANA、JASを想定>の計<9周波数>が必要となる。これをモード3に当てはめてみた例を図3.2.4-1 シナリオにおけるATC 3VlDシステム構成及び図3.2.4-2シナリオにおけるAOC 2V2Dシステム構成に示す。このシステム構成では、ATC及びATISで2周波数、AOCの2周波数の計4周波数で通信が可能となる。ATC 3V1Dシステム構成においては、2周波数の音声スロット(スロットA、B及びC)を管制承認、地上管制、飛行場管制、出城管制及び入域管制で使用し、データ・スロット(スロットD)をATISのみで使用する構成となっている。この場合、ATC音声とATIS(データ)の同時通信が可能である。AOC 2V2Dシステム構成においては、各航空会社が個別の音声/データ・スロットを使用することで航空会社固有の音声及びデータ通信が可能である。

 

 

 

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