(2) 変復調部、TDMA制御部及び通信処理部の基本設計
ICAO AMCP WGで作成中のVDLモード3SARPs案をもとに、ハードウェアの仕様及び通信プロトコルの解明を行うことで動作原理及び運用に関する基本的な検討を行った。また、リアルタイム空地データリンクを検討及び評価する上で必要と考えられる、変復調部、TDMA制御部及び通信処理部の基本設計を行った。
1.6 平成10年度の研究総括
本年度は、リアルタイム空地データリンクの運用評価シミュレーションの検討及び試作部位である変復調部ならびにTDMA制御部の設計・試作を行ったが、以下の課題に関しては継続した調査及び検討が必要と考えられる。
(1)リアルタイム空地データリンク試作機の要件調査
(a)ICAO等におけるリアルタイム空地データリンク規格検討状況
(2)リアルタイム空地データリンクの総合運用評価
(a)利用環境を想定したリアルタイム空地データリンクの性能/伝送遅延等の総合評価
(3)リアルタイム空地データリンク装置試作の完了
(a)リアルタイム空地データリンク装置の機能評価
(b)リアルタイム空地データリンク装置のリアルタイム性評価
1.7 平成11年度に向けての研究課題
来年度は、本年度の調査研究を踏まえ、同期方式/伝送制御方式の試作・評価及び運用評価シミュレーションの試作・評価を行うとともに、以下の項目に関する詳細検討を行う必要があると思われる。
(1) シミュレーション・プログラムの細部機能の検討
シミュレーションにおける伝送遅延等の正確性を得るために、機上局プログラムの負荷を少なくする設計を行う。
(2) シミュレーションにおける評価内容の検討
音声/データ通信の通信量の割合(現在、「音声:大、データ:小」、の割合が、将来、「音声:小、データ:大」となることを想定)の変化による、伝送遅延の変化の評価を検討する。
(3) ハードウェア評価用プログラムの検討
同期方式及び伝送制御方式の評価を行う場合に必要になると思われる、媒体アクセス制御(MAC)及びDLS(データリンク・サービス)の部分機能を有した評価用プログラムの検討を行う。