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電話相談受付状況

1999年3月末現在

 

■1998年4月〜1999年3月の電話相談は次のようなものでした。

●電話相談日数 105日

●相談件数 324件

 

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事務局の務めを終えて

事務局長 野口 克子

 

「皆様のおかげで……」とよく言われる言葉の重みをしみじみと感じさせられた2年でした。

何もわからないまま縁あって事務局の仕事をお手伝いすることになり、ある日、突然事務局員から事務局長という昇格命令にびっくりしたり、ものものしい設立総会や連日の取材に驚きの毎日でした。どうずればよいのかわからず無我夢中で過ごす日々でしたが、あの時、この時、あの方、この方と多くの方々に助けられ、支えられてここまでくることができたことを思い、心から感謝しています。本当に有難うございました。

「犯罪」という今まで私には関係ないとさえ思っていたことが、いつでも、どこでも、誰にでも起こりうるものだと知りました。

「広島犯罪被害者・心の支援センター様」と呼ばれるとドキッとしたり、気を遣われてか、「心の支援センター様」とか「影山様」とか呼ばれる銀行もあり、「犯罪」という言葉には自分と関係なくても何となく避けたい響があるようです。しかし、悲しいことですが、これから、ますます、いろんな犯罪が増えていくことでしょう。何らかの犯罪の被害に遭った時でも、こうした相談にのってもらえる、心の支えとなる場所が「ある」「存在する」ということは、とても大切なことだと電話をかけてこられる方や面接で元気になられる方を通しても感じました。遅れているといわれる日本の犯罪被害者支援も全国組織となり、何年かすればアメリカやイギリスのように少しずつ色んな形で大きく成長していくことでしょう。-そう願っています。-その小さな始まりに加えていただけたことを心から感謝しています。

 

ボランティアのつぶやき6]

 

笑顔

面接相談ボランティア Y. M.

 

犯罪被害者支援活動が我が国でも注目されるようになり、そのボランティアの一員となって、犯罪の被害者やそのご家族の経験に注意を向けることが多くなった。そこで知ったのは、犯罪の被害にあってしまったことの苦しみが甚大な喪失や衝撃によるものだけでなく、追い討ちをかけるかのように法律や対人関係など多くの面であまりにも心を配られない状況に放り出されることがあるという「心が痛くなる」事実である。私は面接相談ボランティアであるが、ボランティアの一員となって、その事実、支援活動の意味についての認識を少しずつ深められるようになってきたと思う。

本支援センターから、アメリカの被害者支援の1つである「危機介入」の実際についてのワークショップに参加させてもらった。講師はさまざまな危機に直面した多くの被害者に接してきた人であったが、こうしたボランティア活動に関わる中で「笑顔を忘れないことが大切である」と言われた。悲惨な経験に遭遇してしまうことがあっても、それでも生きることを肯定する姿勢はとても大切なものに感じられた。やりきれなくなる時があっても、一人の人間ができる僅かな活動を始め、止めないことは大きな意味があるのだろう。欧米に遅れること20年と言われる我が国の実状を考えると、社会で支援できるようになるにはまだまだ遠い道のりがあるかもしれないが、このような活動が始まり、動き出したことは希望である。この活動は私自身にとって、笑顔を絶やさず生きられる社会ができたらいいなというささやかな挑戦の一つなのかもしれない。

 

 

 

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