付属書類
EMUの拡大
参加国は通貨同盟の最終段階が始まった後にEUに加盟することが期待されている。同時に、手続き上の理由および実質的な理由から、参加国は通貨同盟に直接加盟することは期待されていない。
国家が通貨同盟への加盟資格を得るためには、マーストリヒト条約に定められた収斂の基準を満たさなければならない。さらに、収斂は継続的でなければならない。これは国家が収斂の基準を永久に満たさなければならないことを意味している。これは中央集権的な通貨・為替相場政策のコンテクストにおいて、国家が(価格の安定と健全な財政状態という)通貨同盟の目的を採用するのを可能にする堅実な市場構造と、安定志向型の財政政策が存在していなければならないことを意味している。
参加国の場合、マーストリヒト条約の基準に関して、どの程度基準を満たしているか評価するのは困難である。特に、参加国の財政状況と(存在する場合には)長期金利は、現在、マーストリヒト条約で採用された定義に一致していない。したがって、加盟候補国が収斂の基準をどの程度満たしているのか調査するのは時期尚早である。また、収斂基準は通貨同盟への加盟のための基準ではないことを強調すべきである。これは加盟国にとり、収斂基準が重要でないことを意味するものではない。マーストリヒト条約では、通貨同盟への初期の段階で加盟した国家と後の段階で加盟した国家をまったく区別していないため、参加国のユーロへの加盟はいずれ収斂の基準に基づいて判断されることになろう。したがって、収斂基準は安定志向型政策の中期的な参照点と見なすべきである。
そして、新加盟国は欧州連合に他の加盟国とは異なるの地位で加盟することが見込まれるが、最終的には一連の厳密な権利と義務を果たさなければならない。
非加盟国のEMU地域へのacquis communautaireの内容
新加盟国を含めたすべての加盟国は、正式の加盟国として経済同盟に参加する。加盟国は正式の加盟国の立場から、自国の経済政策を共通の関心事とみなし、(国内の収斂計画、多角的監視、過度の債務の削減など)経済政策の調整の手続きに参加する。加盟国は安定と成長に関する協定を遵守し、公共部門の赤字を補填するための中央銀行による、あらゆる形態の直接的な資金提供と、金融機関への当局の特権的アクセスを廃止しなければならない。加盟国は資本移動を完全に自由化しなければならない。