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「康楽館歌舞伎大芝居」

 

○鉱業技術研修員との国際交流

小坂町には、先に述べたとおり世界に誇れる鉱山を有していたことによる高度な鉱業技術が存在します。その技術力を活用した研究施設等が多数あり、金属鉱業事業団技術研究所、国際資源大学校、秋田県資源技術開発機構など高度な技術研究及び研修を実施しています。

その研究施設の一つである国際資源大学校へ毎年海外から多数の研修員が訪れています。この研修員は、国際協力事業団の事業により資源技術の研修コースで学ぶため来町し、南米をはじめ約20数名の方々が数カ月間小坂町での技術研修に参加いたします。

この直接異文化へ触れる機会を、国際感覚や国際的な視野の醸成へ役立てようと、小坂町国際交流協会が組織されました。協会主催の積極的な国際交流事業として、研修員とのスポーツ大会、研修員の母国の外国料理教室、日本語教室、研修員の母国の国旗描き、各家庭とのショートステイ交流等を催し、住民が外国文化を素肌で感じられる交流事業を実施しております。また、国際人こさか青年の育成として、中学生や高校生が直接現地で異文化に触れることができる機会を与えようと、「中高生海外体験旅行」を行っています。

鉱業の技術研修という鉱山の町小坂独特の機会を捉え、国際交流という活動を実施することにより、小坂町の新たな地域活性化を促すきっかけとなっているのが小坂町国際交流協会なのです。

 

○地域の特色を活かしたコミュニティ

小坂町はコミュニティ活動の先進地というわけではありません。一般に、他の自治体においては、地域の振興や活性化を目的に活動を行い、行政へもの申すという行動が地域づくりやコミュニティという概念が一部あることも否めません。

しかし、鉱業技術や鉱山が生んだ歴史的産業遺産を誇りに思い、町内外に呼びかけたり自分の感性の醸成に役立てようとする小さな活動から組織されたのが、小坂町の個性あるコミュニティ活動なのです。はじめは小さな一つの活動が、町の魅力を見いだし、個性を生み、住民全体へ波及し、それが結果として町の活性化へ結びついてくる活動こそがこれからのコミュニティではないでしょうか。

そういった点でも、行政は、住民が自主的な活動を行える素材をつくり、住民自らの生活に潤いと活力が得られるお手伝いをするだけで、住民の自主的な活動により町の活性化が育まれるものと考えております。

 

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鉱業技術研修員との国際交流

 

 

 

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