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国際交流滝登り

 

「野井原狂言堂再興」野井原区

野井原区は、現在職業が多種にわたっており、区民の考え方や価値観も変わってきています。集落全体が以前のようになかなかまとまらない難しい地域の状態の中で、「狂言堂」の保存か解体かという問題が地区に持ち上がりました。この「狂言堂」は、明治時代に建てられ、長い間地区のシンボル的な存在でありましたがこの30年間は倉庫として使われ、「狂言堂」としては休眠している状況でした。区民こぞって真剣に論議するなかから、地域コミュニティづくりの拠点として「狂言堂」を位置付けることを明確にし、区民の自主的な取り組みがなされ、区民総出による手づくり「ミニクラシックコンサート」を平成9年8月に開催することができました。

このコンサートを通じて地域の連帯感を、また「狂言堂」が地域のシンボル的存在であることをあらためて認識し、保存の気運は高まってきました。平成10年度は、狂言堂の保存活用をテーマに、農業農村の諸問題にも取り組み、自然に囲まれた農山村地域、農村景観を活かした交流拠点づくりを目指すとともに、最近薄れがちな地域の連帯感の向上をはかることとしています。地区では今、「狂言堂復興イベント」「朝市」「ふれあい祭」に向けて、地域住民の主体的、自主的な準備が進められています。特に「ふれあい祭」の農業体験や収穫祭を行う「ふれあい農園」は、現在農山村の課題となっている荒廃園を活用したもので、子供から老人までの区民全員によって園地整備から種まき、植え付け、除草等の作業がなされ、区民の新しいコミュニケーションの場にもなっています。また、これをきっかけに地域のことを語り合う新たなグループが生まれ、層の地域づくりの気運も高まりを見せ始めています。

 

活力のある村づくり事業 スタート

七山村では、21世紀へ向けたコミュニティ活動支援事業として、平成10年度から「活力あるむらづくり事業」をスタートさせました。過疎化が進んでいるうえ、農林業も半数を割り、サラリーマン世帯との混住化が進展し、集落で話し合う機会も少なくなり、地域のコミュニケーションが不足、一部では集落の維持が困難な状況も懸念されています。村では、住民自らが住みたくなる地域集落とはどうあるべきかを考え取り組んでもらうため、各集落が独自に特色ある地域の目標づくりから事業の実践までを行い、それに対し村は、アドバイザーなどの人的支援と、資料提供、調査、研修、話合いの費用等の側面的な財政支援をおこない、住民と村が一体となった「夢のある村づくり」を目指すこととしています。

事業は、1集落3ヶ年を限度とし、初年度にアンケート調査、地域の点検等地域の実態把握、問題点、課題の整理をおこない、地域の目標づくりである地域推進計画を作成し、2〜3年度は、地域推進計画に基づく事業を実施するという内容で、特段の事業メニューは設けず、地域で考えたことをそのまま具体的に実施できるようにし、地域の自主性にまかせることとしています。平成10年度は、5集落を指定し、平成11〜12年度までに全集落を指定し、村をあげて取り組む計画です。また、地域推進計画は、村の総合基本計画にも反映させ、地域活性化策を検討することとしています。

 

むすび

コミュニティ活動支援事業を始めたばかりであり、成果はまだみえていませんが、地域推進計画を策定することによって、住民ニーズを把握する手段として捉え、地域で考えたことを具体化できるように住民と一体となって地域コミュニティづくりを推進していきたいと考えています。

 

編集・発行 財団法人自治総合センター

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