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21世紀に向けてのまちづくり

―シビックセンターへの期待―

谷野伊蔵(大阪府忠岡町長)

 

忠岡町は、大阪府の西南部、大阪湾に面する臨海平坦部に位置し、泉大津市、和泉市及び岸和田市に囲まれた、東西に長い地形で、面積4.03km2の全域が市街化区域となっています。

産業は、明治後期から発展してきた毛布等の繊維工業と昭和40年前後に埋立造成した木材コンビナートにおける木材産業が主なものであり、大阪市内へ約30分で通勤・通学できる交通条件にも恵まれた人口約17,500人の住宅都市であります。

本町はこれまで、公民館、図書館、働く婦人の家の複合施設である文化会館をはじめとする教育・文化施設、町民運動場やテニスコートなどのスポーツ施設、公民会館、集会所などのコミュニティ施設、さらには病院、福祉センターなどの福祉・医療施設などのハード面についてはほぼ流足されてきたところであり、ソフト面についても、住み慣れた地域で安心して生活できるよう福祉をはじめ各種施策の充実に努めています。

このような状況の中で、少子・高齢化、情報化、国際化の21世紀に向け、地方分権時代にふさわしい、独自性を生かした、多様かつ総合的な新しいまちづくりを進めるべく、安全で快適な「やすらぎと活力に満ちた美しい忠岡」の実現を目指しています。

その一環として、本年5月に新しいまちづくりを進めるための基幹施設となるシビックセンターが完成したところであります。

この施設は、庁舎と保健センターがある本館(地下1階地上7階建て)と、スポーツセンター、児童館、ふれあいホールがある南館(地下1階地上3階建て)の2棟からなっており、耐震設計はもとより、地下には防災用倉庫、さらには温水プールや人工池の水を消防用水として利用できるよう防災面にも配慮しています。

 

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庁舎については、高齢者や障害者をはじめ、住民だれもが安心して利用できるよう配慮するとともに、将来の高度情報化に対応する情報ネットワークを構築するための設備も整ったインテリジェントビルとなっています。さらに、施設の内部・周辺には、専門家及び住民の制作による絵画・書・彫刻等を配置・展示して、文化性・芸術性に富んだ空間を提供しています。また、屋外には人工池を設けるとともに、季節ごとに花を楽しむことのできる樹木を配して、緑豊かで潤いのある空間を創出し、集い憩える広場を設けています。

本館2階及び3階部分には保健センターを配置し、健康教室、子育て教室等により、心身ともに、健やかな生活ができるよう、きめ細かく支援していくための「健幸づくり」事業を実施しています。

南館には、住民の体力づくりや健康づくりの拠点として温水プール、トレーニングルーム等を備えたスポーツセンターと子どもたちが生まれながらに持つ多様な能力と可能性を最大限に伸ばすことができるよう、遊びや学習の場を提供する児童館、さらに住民の文化振興と相互交流を図るため可動式客席で200人収容可能なふれあいホールがあります。

これらの公共公益施設を複合的、一体的に整備することにより、子どもたちからお年寄りまでが有効に活用でき、コミュニティづくりの場となるよう計画しました。

この施設が忠岡駅周辺地区の活力再生に向けた、駅前再開発、道路整備計画、鉄道の高架化等、21世紀に向けた新しいまちづくりのための起爆剤となるものと大きな期待を寄せています。

 

 

 

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