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40の行政区振興会はそれぞれ自然的、社会的条件が違い、海に面した地域もあれば山間の地域、家々が密集している地域もあれば散在している地域など様々です。その中で旧来からのコミュニティとして培ってきたものを引き継ぎ更に発展させながら、地域振興計画の具現化のため行政がすべきものは役場に依頼し、自らがすべきことは自分達でとの考えのもと河川清掃、花いっぱい運動、道路愛護運動、お年寄りを対象とした福祉コミュニティなど各種活動が行われています。

また地域振興会では「一地域一自慢運動」が行なわれています。主なものをあげれば、刈り入れの終わった田んぼでクラブ一本だけを使い、これぞゴルフの原点と銘打って行われる「田園ゴルフ」、環境美化活動と併せ花いっぱい運動と郷土芸能の展開を図る「水仙まつり」、昔懐かしい村の鎮守のお祭りを思い起こさせる「ふるさと秋まつり」、ユニークな種目を設定し、子供からお年寄りまで参加し楽しめる「ミニ運動会」、豊作を祈願した「素人演芸会」などそれぞれの地域の特色を生かした事業が行なわれています。

行政支援

町は振興会の基盤づくりと活動を側面から支援するため「コミュニティ推進計画」を制定しました。この頃は振興会活動が本格化する中で既存の集会所の老朽化が進み、活動の拠点となる施設建設の要望が高まりかけた状況にありました。そこで「一集落一集会施設」を掲げ、町が用地の全額と建築費の8割を負担するシステムを導入しました。決して裕福ではない町財政の中でのやりくりは厳しいものでしたが、平成8年度をもって当初計画した30の全施設を完成させることができ、敬老会、ミニ文化祭、各種会合など振興会活動のホームグランドとして利用されています。

また「実施要項」を合わせて施行し、ソフト面では行政区振興会と地域振興会へ活動費等を定額助成し、ハード面では振興会が主体となって行なう各種施設整備(防犯灯設置、備品購入、集会所の補修など)の8割まで補助することとしました。これには当初5年間の期限を付しましたが、継続希望が相次いだため現在も続いています。

町民総参加から町民総実践へ

近年道路交通網の整備が進み、生活圏、経済圏が拡大される中で本町でも高齢化、人口流出が進み振興会役員の高齢化、活動のマンネリ化が言われてます。町では若者定住に向け企業誘致や、宅地の分譲、後継者の結婚推進対策を進めていますが十分な効果は得られていません。そのような中で地域振興計画は、町の日常的行政において最大限尊重されています。もちろん予算や町独自の計画の制限はありますが、可能な限り振興計画の実現に向け住民と町は協力しています。計画に記載されていることを基に、具現化に向けて振興会と町との直接対話が繰り返されています。町は「(旧)地域振興計画を町がどれだけ実現できたか」の実績報告を各地域振興会に対して行ないました。これを受けて「新地域振興計画」が再び住民の手によってつくられ、これを基に策定された町の総合計画は「町民総参加から町民総実践へ」と一層前進させたふるさとづくりを目指しています。

 

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花いっぱい運動

 

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