日本財団 図書館


3番目は、それではその町づくりの担い手としての自治体、特に市町村としての在り方、県との関係、そうしたものをどのように考えたらいいのか。その3つの論点について三巡、スリーラウンドでお話を進めていっていただければというふうに思っております。順番は初めはこちらから「アイウエオ順」に並んでいるという事でございますけれども、初めの部分、総論的なコメントにつきまして、まずお話頂き、その後で順次2番目、3番目の話に入っていくという事でございます。それでは第1ラウンドになりますけれども、まず初めに知事さんの方からお話を伺わせて頂ければと思います。尚、それぞれのスピーカーの方、論客がおそろいであろうかと思いますけれども、時間が限られておりますので簡潔にお話頂くというふうにお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

圓藤知事

徳島県知事の圓藤でございます。地方分権に対する総論的な考えということでございますが、国と地方の役割分担とか、或いは事務配分というような問題は、戦後のシャウプ勧告以来、これまで何度も言われてきましたが、なかなか実現をしないという状況が続いてきました。それ程明治近代化以来100年以上にわたりまして、営々と築かれてきた中央集権的なシステムというのが、日本という国の形として強固に定着していたということだと思います。それが、ここ数年、非常に大きな政治課題として地方分権というものをぜひ実現をしていこうという動きになってきた訳でございます。そのきっかけといたしましては、政治情勢の変化ということもあろうかと思いますけれども、やはり現在の中央集権的システムが長い年月の間に制度疲労をおこしていて、これからの日本というものを考えた場合に、各地域毎の内発的な発展性というものを引き出すシステムに転換していかなければ、もはや日本という国は立ち行かない。こういうことではないかと思います。

今回コーディネーターの森田先生も参与をなさっておられます地方分権推進委員会の方々が一生懸命御努力をして下さいまして、4次にわたる勧告を出された訳でございます。政府はこれを受けて地方分権推進計画を策定して、ようやく地方分権への第一歩が踏み出される事になりました。今回の分権改革の内容というのは、自己決定権の拡大だということが言われておりますが、私はそういった制度面の改革であると同時に、これまで中央集権的システムに依存してきた、地方自治体や住民の発想や行動に変革を迫るいわゆる意識改革でもあるというふうに思っております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION