それから、先ほども財源の話が出たようですけれども、分権に伴う財源の確保がやはり大事です。こういうことがなければ、ただ仕事だけをやれと言われても仕事はできませんというようなこともその都度申し上げております。こういったようなことは、これで終わりということではありませんで、これからまだまだ続くだろうと思いますので、地方六団体はそういう考え方のもとにこれからもやっていきたいと思います。
ところで、地方分権ということになってまいりますと、今日もいろいろお話がありましたが、ある意味では地方団体の責任がますます重くなるということでもあります。これまで以上にまた頑張ってやっていかなければならないのですけれども、一言全国市長会の宣伝めいたことを言わせていただきますと、今21世紀を目前にして、今日もお話が出ましたように、高齢の方が増えてくる。子どもの数は少なくなってくる。
あるいはまた情報化とかグローバル化とか、いろいろな世の中の変化はたくさん出てくる。それから、お一人お一人、住んでおられる人の気持ちもいろいろな面で変わってくることもある。そういうような大きな変化がある中で、これから都市政策はどうするかというので、全国市長会というのは今年創立100周年ですけれども、この100周年を記念して、これからの「新時代の都市政策」のあり方ということについて先般考え方をまとめました。
その中でも「分権」ということも取り上げていますが、実はその「分権」という項目の中で書いたことの中に、ただ地方に何でもかんでも仕事をよこせ、よこせということだけではなくて、言ったことがもう1つあります。それは、例えば国民健康保険制度というような国の法律による制度としてつくったもの、つくっているもの、これについては、これがきちんと運用されるように、例えば今医療保険制度全体の見直しという議論があるけれども、こういう制度の問題については国もちゃんと責任を持ってやってくださいよと。
あるいはまた、今日もたくさん話が出ましたけれども、廃棄物の問題についてダイオキシンというのが去年突然大きく取り上げられるようになりました。全国の市町村の皆さんも大変苦労されております。そういうダイオキシンとかいろいろな問題について、技術的な解明あるいは施設整備の技術的な面の研究といったことは、個々の団体でやるのは無理だから、ひとつ国でもっと責任を持ってやってください、分権といっても国にも責任がありますよといったように、国の責任を果たしてもらいながら、地方は地方で責任を持ってやっていきましょうということです。
何しろ地方団体は現場の事情に一番詳しいわけです。しかも、各省の縦割りというようなことでなくて、総合行政、いろいろな仕事を全部やります。そういう地方団体は地域性とか総合性を発揮して、一生懸命これはこれで責任を果たしていくようにしますといったようなことを、全国市長会のこれからの都市政策ということで書きました。