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開会あいさつ

 

鳥取県知事

西尾邑次

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皆さん、大変お忙しいところ、また、蒸し暑い山陰でございますが、こうして大勢お集まりをいただきまして地方分権推進フォーラムを開催できることを非常にうれしく思います。

このフォーラムは、地方分権の重要性を広く全国の方々に認識をしていただくために、全国知事会あるいは全国市長会などの地方六団体、それから、財団法人自治総合センター、そして鳥取県が共催で開催をするものでございます。

ご承知のとおり、地方分権は平成7年の地方分権推進法の制定、その後、第4次にわたる地方分権推進委員会の勧告、さらに、本年5月29日には地方分権推進計画が閣議決定されて、いよいよ実施の段階に入っているわけでございまして、来るべき通常国会には、この推進計画に基づく関係の法令案などが提出されるであろうというふうに承知をいたしているところでございます。

地方分権は、我が国のこれまでの行政システムのあり方を根本的に見直しをするということでございまして、従来はともすれば国の画一的な政策に基づいて地方の行政が行われたわけでございますけれども、これからは身近な課題はすべてを地方の自主的な判断に基づいて決定して行うというふうに大きく変わろうとしているわけでございます。

機関委任事務制度の問題がよく言われておりましたが、この機関委任事務の廃止とか、あるいは自治事務と法定受託事務を新しくつくっていこう、あるいは必置規制の見直しなど、国によるいろいろな規制あるいは関与の廃止や縮減、あるいは地方税をどのようにするかといったようなさまざまな課題があるわけでございますけれども、これは決して国と地方が権限の分取り合いをするということではないわけでございます。いかにすれば地方自治の本旨にのっとった本当の意味の地方自治というものがやっていけるかということをお互いに意見を交換しながら、新しい制度というものをつくっていかなければならないであろうというふうに感じているわけでございます。

私も、先月から4市の市長さんと、さらに東・中・西の3地区で関係の町村長さんたちにお集まりをいただいて、この分権についてのお話し合いをしたわけでございます。どのようにすれば地方分権というものが実際やっていけるかどうか、特に当面抱えている問題、介護保険制度というものは、もう現実に市町村が主体となって、保険者として住民との契約に基づいて、また、住民の皆様自身の選択によって療養ができるといったようなことをやっていこうということでございまして、この関係は地方分権の試金石ではなかろうかというふうにも考えております。

 

 

 

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