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それから紙はオフィスでも再生紙で、しかも裏表ちゃんとコピーでも使う。それからメモにも使う。子どもたちの計算用紙にも。我が家は78歳になる母と暮らしているんですが、母がチラシなどもきれいにそろえてメモ用紙を作ってくれるんです。いろんな紙を集めて、少したつとちゃんと綴じられたメモ用紙になっていて、それを電話のところにも置いてみんなで使っています。母にしてみれば家族のために役に立っているということが、生きがいにもなっているんですね。

こうやって家族7人の大家族が暮らしていくためには、ひとり300本の文明の木も含めて更に浪費しないように、そのへんもつつましく。かといってつまらない暮らしをするのではなく、花を愛で楽しみ、それからおいしいものも食べましょう。そんなふうに楽しんで人生を享受しながら、子どもたちと次にどういう知恵を働かせたらいいかを、一緒に考えていけるようにと思ってやっています。

 

それでは最後にいろんな環境に関する言葉の中からご紹介しましょう。ひとつは『水使いの荒いものは人使いが荒い』という言葉。これは人と水との関係を表わしていると思います。

それからもうひとつ、私が忘れられないのは『haste is waste』という英語の諺です。最初の「haste」は急ぐってことなんです。次の「waste」は浪費するというゴロあわせで、「急いで何かやろうということは浪費してしまうこと」ということなのです。この『haste is waste』を時に思い出して、ゆっくり、じっくり考えて、なるべく時間を大切に使いながら動いてみたらどうでしょう。また、エネルギーを「waste(浪費)」して「haste(急ぐ)」するのではなく、自分が足で歩いてみるのはどうでしょう。ちょっと苦労でもさっきのお米のとぎ汁ではありませんが、自分がちょっと努力することで、浪費しない社会というのを作っていったらどうでしょう。こんなことを提案させていただいて、私の話を終わらせていただきます。

 

本当に宮崎は何回かお伺いしているんですが、私はあの空港から乗る電車も好きなんです。手動でエアコンが止められるんですよね。以前夏に来たときに寒すぎたら、車掌さんが来て「寒いですか?止めましょうか」って、やってくださったんです。私はこれが『haste is waste』を、まさに地でいっていると思いました。人間の手を使えば何でもできるんです。その時の会場はみんな扇子を使ってやったんです。ですから、こういう宮崎はきっと素晴しいものができるところだと思いますので、また機会があったら伺わせていただいて私も素晴しい、美しいものを、また東京へのお土産に持って帰りたいと思っています。

今日はありがとうございました。

 

 

 

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