これは、実はインバーターで使用している技術だ。また、トランジスタは過電流に弱い。したがって、徐々に、徐々に電流を流して行かなければならない。そうすると、灯りの立ち上がりが遅くなってしまう。例えば、タッチスイッチを押したときに灯りはポンとすぐにほしいのに徐々に、徐々にしか灯りは出ない。これでは使い物にならない。そういう面はIGBTの保護によって生まれるわけでトランジスタとIGBTの組み合わせたものが一般的に出てきている。
(GIBTをスライドで説明)
漏電について
漏電が発生すると、どの灯体で起こっているのか素早く決定しないと照明自体に影響を及ぼしたり最悪、人体に感電して災害が起こる。また、催し物は中止したくない。そんなものは取り除いて安全に運営したい。今の調光器に一回路ずつ漏電警報の機能を持たせると、かなり費用がかかってしまうので、盤単位か主幹に一つだけということになってしまう。実は、この機器を使用すると1回路づつの漏電感知が可能になる。漏電検知し易い。これが、IGBT使用の大きなメリットだと思われます。また、過負荷にした場合でもブレーカー落とさずにリモートでコントロールできる。原因を取り除いて復旧すればリモートで遮断したものを戻すだけで良い。そうすると、ブレーカーの寿命の問題も無くなる。いちいち調光器盤の部屋まで飛んでいくこともいらない。ただし、IGBTは、まだまだコストがかかるので現在ではかなり高価なものではあるが、もっとIGBTの素子が安くなってくれば価格も下がってくるものと思われます。
コモスについて
コモスはオフライン上でデータを作ってコモスのあるホールへ持っていってFDで読み出して卓へ呼び込む。そういう使い方が一つ。また、ホール間の互換性もある。もう一つあるホールで作ったデータを一度オフラインシステムで加工して違うホールで使用する。これは今のところシーンデータだけですが、パッチ他もろもろのデータも欲しいという声がある。日本ではそこまでいってないがアメリカのアスキーライトキニーズという機能があって、レベルだけではなくてパッチやグループ、パート、タイムそういうものが入る。日本ではそこまでの機能はまだまだない。
DMXについて
DMXとは規格はスピードが250KBit/Secで、1秒間に250キロビット送っている。当初はこの規格が速いほうだったのですが今ではもう遅くなってしまった。これは512CHのデータをこのスピードで送れば、22〜23ミリかかる。5ピンである。これも規格である。最近DMXを使用するにあたって照明の現場ではいろいろな問題が出ている。これは大きなテーマになっている。このDMX512は電気的にはRS485という規格に基づいている。電送する距離や早さ。つなげられる台数もRS485で決められている。これが解ってないとDMX512のことが解らないということになる。このRS485の注意点は5ピンの内3ピンはかならず使用される。残りの2ピンは空いているオプションという形である。場合によっては、その2ピンに対してRS485以外の信号を入れてくる場合があります。これは電源とかアースで使用されることが多い。こういうことは最近は無いと思いますが、これをやってしまうと機器が燃えるということにつながる、これだけは絶対避けていただきたい。それからケーブルはインカムと同じマルチケーブルを使う場合もありこれもやめた方が良い。電送的にはだいたい500mぐらい延ばせるが、いろいろな環境を考えると300m位がいいのではないかと思われます。また、接続台数については一つの回線で直接制御できるのは32台になります。安全をみて25台と言う風に最近は申し上げております。512台つなげるときは、リピーターなりを入れて電気的な増幅器で回線を増やすということです。
300m越えたり、32台以上使用する場合は、信号分配機(スプリッターと呼ばれる)をかませて台数を増やすということになります。それが無い場合はトラブルの原因となるのでやめる。そして、あまり増やしても遅れが出てくるのでムービングなんかでは一カ所だけ遅れが出てくる可能性もあるのでバラで回線を増やしてやることが大事である。以上で講義を終らせていただきます。