講義・研修
「新しい文化運動におけるホールスタッフの果たすべき役割」
(社)劇場演出空間技術協会理事
(株)シアターワークショップ 代表取締役社長 伊東 正示
【講義の概要】
こんにちは伊東です。僕はあまり堅い話をする気がなくて、今日は技術の研修だということですので私の後にかなり技術的な専門的なお話がありますので、前座を務めるつもりでおりますのでよろしくお願いいたします。今、ご紹介いただきましたようにシアターワークショップという会社をやっています。劇場コンサルタントという言葉をお聞きになった方もいらっしゃるかと思いますし、私の関わった劇場の方もいらっしゃるものですから関係のあるところの方がいらっしゃると話しにくかったりするのですけど、最初にビデオを見ていただいて私が何をやっているのかということをご紹介したいと思います。何故かといいますとようは僕がやっている主な仕事というのは会館が建つまでの仕事なんですね。みなさんは建った後のお仕事をやっていると思うのですけどあまり接触がないと思うのですよ。ですから何でこんな設備なのかとか何でこんな建物なのかとかを日頃不満をお持ちかと思うのですよ。我々の方としてもこの香川県県民ホールというのは舞台照明は吉井澄雄さんという照明家、この名前は知らないともぐりじゃないかといわれるほど有名な方ですよね。その方のお考えを元に設備の設計をしたのですが、我々も勝手にホールを作っているのではなくて専門家のご意見を聞いたりそういうものを反映して作っているわけです。けれどもできあがった後みなさんは日頃、たくさん不満をいだかれているのではないかと推察しているのですけれどもそういう風になってしまうというところが有るのではないかなと思っています。ですから今日は私がお話しするよりみなさんのお話をわたしが聞きたいというのが趣旨です。最初に僕がやっている仕事をNHKのBSで取り上げてもらったんですね。これはどういう番組かというとつまり劇場コンサルタントという商売がこれまでになかったんですよね。それを商売にしているやつがいる、それがめずらしいから紹介をしようということから紹介をしてもらったわけです。で、それを最初にちょっと見て下さい。
ビデオ上映(約5分)
なんかめちゃくちゃコマーシャルぽいビデオで申し訳ないのですけれども、日頃ああいうことをやっているんですね。今日のお話は私がああいうことをやっている人間だということを前提にしまして、最初に一般教養的なことしか書いていないのですが、私がどのように考えているかということを簡単にお話をさせていただきたいと思います。
今のビデオの中でも文化運動とかソフトが大事だということをさかんに僕がいっているつもりなんですけれども、ここに書いている公共ホールの変遷ということなんですけれども自分のやったホールの悪口をいっちゃいけないのですけれども、この香川県県民ホールというのは僕が初めて手がけたホールなんですね。これは2期工事でこちらは2期の建物でこれは最近できた建物なのですが大ホールの方が今から十何年か前にええちょうど十年ですか。構想段階が十五年前から始まっているんです。これが僕が最初にやらせていただいたホールですけれどもその時にどんなホールを作りたいのかということでまず第一に言われたことが2000席のホールということなんですね。で、今大ホールは2001席有ります。たぶんこれが1999席だったらだめだと思うんですよね。とにかく2000席を確保するというのが大前提条件でした。これはみなさんの方でもあると思うんですけれども何でそんな大きな劇場がいるのかということがいつも話題になるのかと思います。で、それを僕らは第一世代の劇場と呼んでいるのですけれども、それはどちらかというと政治的な用途とか大型の集会に使いたいよと言うことから舞台なんかは小っちゃくてもいいからとにかく席数だけ増やしてくれという要望が出されることが二世代ぐらい前の劇場では多かったと思います。みなさんのホールの中でも感じられるホールがあるかと思いますけれども、それが日本の公共ホールのスタート地点かと思っています。