5) 運用、維持、管理
改修工事施工完了後検査を経て、メーカーよりホール管理者、操作担当者等に取扱説明を実施させていただいております。熟知する事は装置を安全に使用していただく為にも重要な事です。そのため、ホール側関係者の移動等もありますので定期的(年一回以上)に繰り返し実施することが必要と考えております。
また、機器である以上何らかの故障は発生いたします、特に公演前、公演中の故障は大変な事態をまねきますので、その時の初期対応について、メーカーより、ホール管理者、担当者への説明会の実施を繰り返し定期的に(年一回以上)実施していきたいと考えております。取扱説明を含めて宜しくお願いいたします。
6. 振動、騒音対策について
最近舞台機構について、振動・騒音対策が多方面より要望され、仕様にも記載されてまいりました。
例えば、演出で使用する装置について、客席最前列にて40dB(A)以内、または目標とするとの内容です。これらは、最近の世間事情とホール自体が複合施設が多い等の理由と思われます。
吊物装置については、装置自体の低音化が進んでいる事と、設置されている場所が比較的に遠い事による等にてクリヤされている装置がありますが、床機構装置については、装置の大型化、高速化に伴い対策が困難で有る事及び客席部に近いことを加味して40dB(A)以下は難しいのが現状です。
振動と騒音は別々のものではなく、皆さんがホールで聞かれている音は、空気中を伝播する音と振動により伝わる固体音、及び駆動している装置以外の影響による音である暗騒音の3種類の合成されたものです。
騒音の低いホールにするには、これら3種類の音を小さくする対策が必要となります。
一般的には空気中を伝播する音の低減は、騒音を生んでいる装置自体の低音化と外部に漏れにくくするための防音対策が必要であります。
振動によって伝わる固体音の低減は、振動を発生している装置自体の防振対策と取付けブラケットや躯体等へ振動が伝達しないための防振等が必要です。
暗騒音は、空調、給排水及び他のの設備騒音や、道路騒音等による固定音からの影響を受けるため建物全体の騒音対策が必要となります。
今後、舞台機構として、騒音・振動対策は、避けられない課題となります。