3. コンセプトの検討
普及型のホール用新ディジタル音響調整卓という言葉から連想される様々な事柄を図-2にコンセプト連想図として示す。中心から外に向かって連想が広がってゆきコンセプトの幹や枝となってゆくのを示す。この中から主要な考え方をとりまとめると次のようになる。
3.1 メインコンセプ卜
●Artistic & Delightful
多くの人がアーテイスティックなよろこびを感じられるミキシングコンソールとする。
今までのミキシングコンソールは種類を問わず事務的なデザインとなっている。これは、もちろん平板な基盤に回路がのっているからでもある。つまみやスイッチの配置や色を変えるなどで精いっぱいの努力をしてきた。今後、ディジタル化することで盤面・卓形状をはじめ機能やオペレーティングインターフェースのデザインに自由度が増すならば、まず、卓の前に座りたくなる、オペレートに悦びが感じられる、オペレータの感性に俊敏に応えられる……つまリアーティストのツールとしての音響調整卓が21世紀にふさわしいホール用ディジタル音響調整卓であると考える。
以上を具体的な姿としてイメージにしてみると図-3に示すようになる。