○深澤
今、コメンテーターの皆さんから、それぞれお話を伺いました。土井さんは主に旅公演などで全国の自治体ホールをお巡りになり、そういう方々のご意見、或いは土井さんご本人のご意見などがありました。暗転問題、緞帳を下ろす時間の問題、火薬の使用の問題、入館・退館時間の問題、終演の問題、これは恐らく皆さん方もいろんな経験があると思います。
それから、内倉さんはお話でおわかりだと思いますが、恵庭の地元で大変に大きな野外劇のプロデュースをされました。その過程で市民の皆さん、もちろん行政の皆さんも入ってますし、ホールの関係者も入っていると思います。そういう方々のバックアップをいただきながらミュージカルを創っていく過程で稽古場の問題ですとか、大道具の置き場所の問題等々、これはホールにストレートで絡まない話でありましたが、実際問題としてはホールでも同じ問題が起きています。
それから、太田さんは皆さんご承知の方が多いと思いますが、舞台をコーディネートするという立場で、いろんな場面での技術スタッフとしてのお話をしていただきました。
3人の方に大変共通していると私は思うのですが、要するにホールスタッフ、技術スタッフの皆さんも含めたホールで働く私どもと、それから買い取り公演型と申しましょうか、土井さんのレパートリーの中の場合はアーチストになりますでしょうし、それから内倉さんの場合ですと、地域の住民の方々になりますが、そういう舞台を創る方々と技術スタッフとのコミュニケーションが一番基本にあるというのが、私が今、お伺いした限りでは共通したお話しだと思います。
そこで大変大切なことが太田さんからお話があったのですが、この問題を考えますときに都市型のホール、一定程度以上の人口の多い都市型のホールと、それから地域型と申しましょうか、そういう小規模な地域におけるホールと実は大きな違いがあるという指摘がありました。そこのところは本質的な問題になるのだろうと思うのです。
地域型のホールというのは、早い話がお使いになる方とホールサイド、これは行政という言い方をして構いませんが、それとが正にフェイス・トゥ・フェイスと顔を突き合わせて、いつでも知っている方、そういうところの中で、いろんな起こるトラブル、或いは規則でいろんなことを決めていますが、それを弾力的にどうするかというときの裁きといいますか、ホールサイドの対応が非常に弾力的に行われる。
つまり、そこではお使いになる人と、或いは見にくる方もそうだと思いますが、ホールとの人間関係というフェイス・トゥ・フェイスの関係で成立しているか、成立せざるを得ないという状況なのだろうと思います。都市型の場合は率直に言って規模の違いによりますが、平たく言うと不特定多数の方がおいでになるといったような、極端に言いますとそういう状況の中で問題を処理しなくてはいけないということなのだろうと思います。これはよく考えてみますと、地域で問題を処理するというシステムが、むしろあるべき形で、それを大型のホールの場合にどんなふうに持ち込んで、うまく問題を処理できるかということを考える必要があるのではないかというふうに私は思っております。
第2部 フリーデイスカッション
第1部に続いて第2部では、参加者が各館での具体的な事例をあげてコメンテーターの皆さんから助言をいただきましたが、紙面の都合で割愛させていただきます。