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漫画の見世物性一過性が漫画を逆に面白くしている。あるアメリカ人が日本の漫画のことについて言うんです。ヨーロッパでは全ページにオールカラーで印刷をし、一回売り出したら二十年位売り続けたいという意志で出版するから、新しいものに対しては極端に警戒する。日本では再生紙のようなザラ紙で白黒でどんどん出すから、日本の漫画は限りなくテクニックが刺激的だったりする。ヨーロッパでは古典的な漫画しかない。アメリカも新しいものを開拓しているが日本のほどやられていない。というのは、日本は紙の質の悪さで新しいものを取り入れる武器にしている。だからその仮設性というものは実に儚い。

 

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九八年九月五日から九九年一月三一日までワタリウム美術館で"to the Living Room"展が開かれた。三階会場に展示されたタイ屋台「ナウィン・ラワンチヤイクン「マイ・ペンライ東京1998」ワタリウム美術館=東京都渋谷区神宮前3-7-6電話3402-3001

 

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屋台で展示された漫画本「マイペンライ東京‐東京危うしピータイ来襲」

 

 

 

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