「最後の見世物」師 多田さんのこと………カルロス山崎 ◎ 半世紀のつとめ◎
「最後の見世物」師 多田さんのこと………カルロス山崎
◎ 半世紀のつとめ◎
木戸を打つ多田さん
七月三十一日午後五時三十六分、見世物の多田興行・興行主、多田保夫さんが胆のうガンのため亡くなった。大正十五年生まれの七十二歳だった。 葬儀は自宅にほど近い、愛知県江南市の常観寺で執り行なわれた。「お釜地蔵」として親しまれるこの寺は、多田さんの菩提寺ではないのだが、見世物興行とは浅からぬ縁があった。先代の住職が興行師と兄弟分の盃を交わすほどの好事家で、境内で縁日を開くばかりでなく、旅暮らしの彼らにいつでも宿を提供していた。在世中は、見世物で活躍した大蛇の″遺皮″が飾られていたという。
七月三十一日午後五時三十六分、見世物の多田興行・興行主、多田保夫さんが胆のうガンのため亡くなった。大正十五年生まれの七十二歳だった。
葬儀は自宅にほど近い、愛知県江南市の常観寺で執り行なわれた。「お釜地蔵」として親しまれるこの寺は、多田さんの菩提寺ではないのだが、見世物興行とは浅からぬ縁があった。先代の住職が興行師と兄弟分の盃を交わすほどの好事家で、境内で縁日を開くばかりでなく、旅暮らしの彼らにいつでも宿を提供していた。在世中は、見世物で活躍した大蛇の″遺皮″が飾られていたという。
多田さんの仕事
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