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◎昭和十六年に発見された『佐渡状』

吉田氏がこの『金島書』を刊行してから三十三年を経た昭和十六年に、世阿弥の『佐渡状』が、奈良県生駒市の宝山寺で発見されている。金島書と違って、これは写本ではなく世阿弥の直筆の手紙で、配流の翌年の永享七年(一四三五)六月に佐渡から娘婿の金春氏(禅竹)に宛てていて、同寺にあった数多い金春家伝書群の中の一つで、能乗研究家の川瀬一馬氏によって発見され報告された。粗末な楮紙(こうぞし)二枚をはり合わせた横五五・七糎、縦二〇・四糎の手紙で、老妻寿椿(じゅちん)を氏信の下に託して佐渡に旅立ったこと。銭十貫文が届いたことへの謝辞、鬼(おに)の能に関しての氏信ヘの同答、佐渡は『不思議の田舎(いなか)』なので料紙がないことなど、こまごまと記されていて、道の大事を記す妙文(みょうもん)も藁筆(わらふで)で書くというためしもあるから(この粗末な紙は)金紙とおぼしめして下さい、と、印象的な文章で結んである。

<財団法人・佐渡博物館理事>

 

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南海龍王と獅子『四海龍王賀寿』から

 

主催=泉州人形劇フォーラム実行委員会

東京ウィメンズプラザホール

10月7日(水)8日(木)

泉州人形劇フォーラム

中国の泉州提線本偶戯(糸操り人形、目連傀儡ともいう)とは、福建省の泉州で十二世紀頃から上棟・婚礼・願かけ・祭などの民間儀礼を通して伝承されてきた糸操りの人形劇です。現在、伝承団体は80以上ありますが、なかでも唯一の公立劇団である泉州市木偶劇団は、伝統的な技法を踏まえつつ、それをさらに発展させた新たな木偶戯を創作してきました。

最近では、伝承が途絶えていた古典演目『目連戯』の復活にも力をそそいでいます。

今回、泉州市木偶劇団の演者・楽団と研究者、総勢25名を迎え、シンポジュウムと公演による「泉州人形劇フォーラム」を行います。皆様のご参加を心よりお待ちしています。

 

フォーラム日程

10月7日水曜日

シンポジュウム セッション1<14:00開場14:30〜>

「人形の改良-伝統技法と新技法」

パネリスト…ルイゼンダール+王連茂+王景賢+山本宏子

デモンストレイション1

「舞台構造の変化と技術の発展」

王景賢+細井尚子+泉州市木偶劇団

公演 Aプログラム<17:30開場18:00〜>

「請神」「四海龍王賀寿」「辞神」

10月8日木曜日

シンポジュウム セッション2<14:00開場14:30〜>

「人間と人形‐デフォルメの方法論」

パネリスト…勝木言一郎+佐藤道子+王躍華+細井尚子

デモンストレイション2

「人間と人形‐動きのデフォルメ」

王景賢十呉金塔十細井尚子十泉州市木偶劇団

公演 Bプログラム

西遊記から「三打白骨精」「蘆俊義・大名府」の場から「入場」「獅子舞」「青春夢」

 

会場=東京ウィメンズプラザホール(東京都渋谷区神宮前5-53-67電話03-5467-1711)

渋谷駅より青山通り徒歩12分、国連大学隣

フォーラム参加登録費=8,000円(学生6,000円)公演Aプ口観覧科合む。公演Bプロは前売り3,500円当日3,000円の観覧料が必要です。

申し込み方法=官製はがきに、住所、氏名、電話、ファックス番号を明記して〒110-8713 東京都台東区上野公園13‐27東京国立文化財研究所芸能部気付泉州人形劇フォーラムまで郵送して下さい。また、参加登録費を振込先[郵便振替口座00120-1-60926泉州人形劇フォーラム]へ送金下さい。

問い合わせ=電話03-3823-4926(担当・山本)

 

 

 

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