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・旧事務所部分は修景として外壁修理保存

・新事務所は入口付近の外部空間を拡げる意味で撤去せざるを得ないと考える。

・汽罐室部分は別の入口とする。人口周辺空地の確保がし易い事。敷地外周いっぱいに煉瓦造外壁があるので、住吉川と前の町道を挟んだ空地との一体利用が出来る事が考えられる。

・建物外部周辺に附属する下屋庇水槽等は取り除く。旧事務所の修復は、更なる調査が必要。倉庫部分の屋根を除いたオープン空間はちよっとした外部利用の空間とする。

・工場の鋸屋根の内一部は屋根を取り除き鉄骨梁などで、切り梁としオープン空間をつくる。(空地の確保、ゆとり空間、敷地内の緑の空間)

 

(8) 工場の修理について(構造以外の一般構造)

1] 屋根

元どおり復元利用する場合は、いったん下地野地板葺き土瓦を取り除き野地板葺き土は交換、瓦は再利用出来るものは利用する。棟押えは銅板などで加工する。軽量な瓦仕様の物に取り替える、この場合葺土は不要。鋼板瓦棒葺等に変更し屋根の軽量化と耐風性をあげる。

等の方法がある。

 

2] 樋

現状のまま部分補修する。ブチルゴムなどの内貼り補強をする。アスファルトコーチング鋼板、鋼板等に入れ替える、等の方法がある。竪樋は全部取り替える必要がある。出来れば塩ビでなく鋼管等にしたい。

 

3] 天窓

耐風耐振性から5ミリ厚のもの又は網入りガラスに交換しゴムシート等のガスケット材を挟んで、押縁は木造からステンレスに交換する。

 

4] 木造軸組

3角トラス部分に積もって居る綿挨はすべて除去洗浄する。場合により再塗装する。柱は上半分はトラスト●じ処理をする。下部は機械油がしみているので、除去し再塗装、又は必要に応じた仕上をする。柱脚巾木なども必要。

 

5] 床

現状のフローリングは腐食が激しく全部再利用不可能。但し排水溝を除き下地土間は充分使用に耐える状況である。従って空間の利用目的により1.直にタイルを貼る、2.鋼製床組などをして木造などの床にする等多様な対応方法が考えられる。

 

3] 排水溝

屋根の谷樋からの排水のため排水溝は必要。但しその蓋については床仕上げに応じた蓋が現在は製品として用意できる。

 

7] 電気

面積から考えて高圧引込変電設備が必要。1.照明、2.コンセント、3.空調、4.放送など計画に応じて新規に設置必要

 

8] 給排水

給水は町水道か汚水雑排水については合併式の浄化槽の設置が必要、処理水は住吉川に排水可か

 

9] 換気

前述のオープンスペースの活用など出来る限り機械換気に頼る部分を少なくする。

 

(9) 今後の詳細な調査が必要なところ

・木造梁材の抜き取り検査 数カ所 一時補強

・屋根瓦の強度検査 下地の調査 数カ所

・基礎の調査 掘り起こし 数カ所

・谷樋の破損個所の調査

・密ガラスの破損個所の調査

・煉瓦壁の亀裂調査

・排水溝の破損個所

・配管類の調査 等が必要と考える。

 

 

 

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