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第2章 広域的環境をみる

 

2-1 熊取町の概要

 

(1)自然

1] 位置と面積

熊取町は、大阪府泉南地域のほぼ中央部にあって東を貝塚市、北・西及び南は泉佐野市に接している。また、東と西は丘陵地、南は和泉山脈に囲まれ、北西方が海岸方面に開いている。熊取町は、東西約4.8km、南北約7.8kmで、面積は17.19km2であり、東西に狭くて南北に長い木の葉のような形をしている。地形区分別にその面積をみると山地41%、丘陵24%、段丘23%、低地12%となっており、山地、丘陵部分が総面積の3分の2を占めている。

 

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熊取の位置

 

2] 地形

大阪府の南西部はもと和泉国と呼ばれ、その和泉国は、北は長尾街道を境として摂津国に接し、東方の河内国との国境には三国山と三国丘を結ぶ南北分水嶺が走っている。南の紀伊国(和歌山県)との国境には三国山から大川峠に至る和泉山脈が走り、北西部は大阪湾に臨み、ちょうど斜辺三角形に似た形をしている。熊取では最高峰(通称奥山松尾)でも標高407.4mしかなく、海岸への開口部でも標高20mぐらいで平均傾斜は3%ぐらいとなる。

 

3] 河川

町城に水源をもつ水系が2つあり、南から北へと流下する。一つは見出川で、標高407.8mの奥山を水源とし、永楽池から永楽ダムを経て町内を流れ貝塚市・泉佐野市の境界を流れて大阪湾にそそぎ込む。もう一つは雨山川で、標高320mの小屋谷山と標高315mの雨山付近に源を発し、成合・朝代・五円・大久保を流れ、熊取の西橋付近で住吉川と合流し、佐野川となって泉佐野市域を経て大阪湾に注ぐ。一方住吉川は前山に源を発し、和田を経て流れる和田川と、別に前山から久保・小垣内・野田を経て流れる大出川と桐方橋付近で一緒になって流れるもので、このあと五門・紺屋・大久保を経て雨山川と合流する。

雨量が少ないこの地方では古くからこれらの河川のいたるところに井堰がつくられ、直接潅漑に利用したり、また、いったんため池に引き込み、用水に利用するなど大切に扱われてきた。

 

4] 気候

熊取町は、瀬戸内気候区の東の端に位置し、平均気温は15.9℃、年間降水量は1455mm前後で温暖・寡雨の気候である。どちらかというと干ばつの起こりやすい地域で、そのため古くから潅漑用ため池がつくられてきた。現在ため池台帳に記載されている町管理のものが91ヶ所、その他個人管理の小さいものまで含めると約400ケ所もある。その総面積は約150haに及び、総貯水量は300万tを越える。

年間を通じて偏西風が多く、特に冬にはやや強い北西風が吹く。湿度は比較的高く、この泉南地方で機業が発達したのは、その湿度が糸切れを防ぐのに適当であったためとも言われている。

 

 

 

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