10. 久保慎二家住宅 (万寿屋) 要町1-33
主屋規模(間) 6.5×6.5 切妻造・瓦葺 明治32年大火後
軒形式 登梁 此形式 鋼板葺
主屋規模(間) 3.5×4 切妻造・瓦葺 昭和6年頃
軒形式 腕木 庇形式 厚板葺
久保家は屋号を万寿屋といい、当初薬種業を営んでいたが、酒造業を始めるようになり、大野藩に高利貸をするような旧家である。代々、酒造業を営み現在源平酒造を経営している。敷地は一万坪以上に及び、南側道路に面して主屋2棟を構える。主屋の後ろに離れ座敷を配し、中庭を挟んで4棟の土蔵を建て、その北に現代的な造りの事務所や倉庫群を建てる。敷地西側の道路は最近造られたのもので、昔は南側道路のみであった。大きな主屋は明治32年の火災後の仮普請の建物といわれるが、その表構は整っており、旧家にふさわしい佇まいをみせる。外観の越屋根が特徴的で、酒造業の煙抜きである。内部は多少改造されているが、土間、店、座敷などの構成がよく残っている。特に12畳の座敷は2間幅一杯に床、脇床をとり、外観の高さから考えられない天井高の室内となり、見応えがある。2階は住居部分として現代風に改造されている。
隣の間口3.5間の建物は当初貸家として建てられ使用されていたが、現在は前述建物と一体に使われている。両建物は時代をよく時代を反映した外観をみせ、階高が高い方が新しいことがよくわかる。