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ナカノマ:ザシキとミセ、またはザシキとイマあるいはオウセツマとの間にある。ナカノマのある家は4棟ある。

ミセノマ:ミセや玄関の隣にある部屋で、ミセの事務所として使われていることが多い。最近では、もう呼ばなくなってしまった家もある。呼び方はミセノマの他にミセ・ミセマがある。

調査対象町家のうち、通り土間をもつ側は6棟ある。図表-7に示す。通り土間の有無は間口には左右されないが、通り土間のある6棟すべてが商売をしている、という特徴がみられた。

 

通り土間のある家 一覧表

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(4) 床と仏壇

座敷に床と仏壇を置く家は20棟あり、そのうち10棟は床の横に、10棟は床と相対する位置にあることは先にも述べた通りである。前者・後者と、間口との関係について示したのが図表-8である。図表-8により、床の横に仏壇がある場合は間口が小さい。また、床と相対する位置に仏壇がある場合は、間口が大きいことがわかる。さらに、商売との関係を図表-9に示す。床の横に仏壇がある場合は、商売をしている確率が62%と高い。これらのことにより、間口が小さく、商売をしているため、仏壇を置く場所がなくなり、床の横に棚の代わりに置いたものと考えられる。

 

床と仏壇の位置関係

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4) 「ミセ」のある家

平面図の得られた29棟のうち、ミセのある15棟を調査対象とした。

(1) 「ミセ」と列型

ミセをもつ家の列型と規模の関係について表した分布図を図表-10に示す。ミセのある1列型は、間口が3.0間〜5.0間に集中している。また、ミセのある2列型は、特に間口が5.5間〜6.5間、奥行が6.0間〜6.5間と狭い範囲に集中する。しかし、2列型は6棟しかなく、ミセのある家は1列型の方が多い。

(2) 「ミセ」と室数

ミセと室数の関係を図表-11に示す。ミセのある家は、ミセの他に1室〜3室をもつ例がほとんどである。

 

商売をしている割合

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「ミセ」のある家の列型と規模の関係

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