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また、列型と規模の関係を表した図を図表-3に示す。1列型は間口が3.0間〜7.5間、奥行が3.0間〜7.0間あり、2列型は間口が3.0間〜6.5間、奥行が3.0間〜6.5間ある。また、3列型は1棟しかない。列と間口の関係は、大きくみると、列が少なければ間口は小さく、列が多くなると間口は大きくなる、という比例関係にある。しかし、列と奥行の関係は、1列型・2列型とも特に関連性はみられない。なお、布川家の略平面図は図表-4に示す通りで、主屋の側面に下屋が付いているが、本稿は主屋のみを対象としているため、ザシキが途中で切れてしまうことになる。ザシキを途中で切ることはできないため、特殊型として扱った。

(1) 室型の分類

家の間取りを構成する室数を、以下の条件で分類し、その模式図を図表-5に示す。また、調査対象は平面図の得られた29棟のうちの28棟とする。さらに、28棟の分類の資料を、後の参考資料に付ける。条件:4.5畳以上を1室とし、4畳以下はその隣の部屋に付属するものとする。玄関・廊下・トイレ・物置は除く。台所は、建具で仕切られたもののみ、1室とみなす。また、ミセは1室とする。分類は現状で行う。

1室型…水谷家と松田家の2棟ある。前者は生活空間が主屋部分ではなく、奥に続く新築部分にある。後者は別に旅館を経営しているため、1室で成り立っている。 2室型…田中・横田・松本・久津見・山口・朝日・黒原家がある。いずれの家も生活空間は主屋の奥に続く新築部分にある。

3室型…三輪・山崎・玉村・廣川・山元・菊川・西川・高橋家がある。基本的に、表側にミセ・その奥にイマやナカノマなどがあり、1番奥の中庭側にザシキが続く。ミセをしていない家では、イマ・ナカノマ・ザシキとなるのが一般的である。3室型の場合も、生活空間は主屋の奥の新築部分にある。廊下に台所(流し)を設けている家もある。 4室型…久保・宇野・尾崎・稲津・南部・宇野・正津家がある。イマ・ミセノマ・チャノマ・ザシキまたはミセ・イマ・ナカノマ・ザシキから構成されている。しかし、ナカノマの代わりにシンシツやダイドコロという例もある。4室型になると、主屋に生活空間がある。

 

《図表-5》

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