5 片桐勝巳 屋号 万助(まんすけ)
集落の北西端よりに、南に向いて位置している。家屋の背面には井戸がある。家屋は中門造で前面と下手側面に中門を持つ。建築年代は不明である。
本屋は寄棟造でトタン葺き、桁行6間半、梁間3間4尺で、2階建てである。前中門は出3間、幅2間で切妻造トタン葺きである。本屋下手側面に張り出しているのは水屋中門で、本屋からの葺き下ろし屋根トタン葺き、出1間半、幅2間半である。ガンギが本屋正面表側の前中門境まで張り出しており、屋根はこれも本屋からの葺き下ろしで幅は半間である。
下屋が2ヵ所突出しており、1つは、本屋上手側面に本屋から葺き下ろし屋根の出半間、幅2間の仏間・押入として、また、もう1つは前中門正面妻に片流れ屋根のトタン葺き、半間の出、2階建てである。
間取りは四間取りであるがこれは聞き取りによって以前は広間型であったことが明らかである。妻側2間が続きの座敷で、仏間は妻側に張り出している。
この家屋は折置組の構造形式を採用しており間取り形式から見ても集落の中でも古い様式に属する。しかし建築年代が明らかになる証拠はないが他地域の中門造民家との比較から19世紀初期ではないかと思われる。現在はナカノマは改造して2間に仕切られている。