4 片桐司 屋号 次郎左衛門(じろぜん)
家屋の位置は集落中央部で国道403号線に沿った北西側である。路面より低い土地にあり、西に向いて建っている。主屋の背面には元は本家の所有であった土蔵が1棟あり、それを譲り受けて使用している。
主屋は中門造で、前後に中門を持つ。建築年代は所有者の記憶によれば昭和26年である。
本屋は切妻造り瓦葺き、桁行6間半、梁間3間半、2階建てである。前中門は切妻造瓦葺き、出2間半、幅2間半、2階建てである。後中門は片流れ屋根トタン葺き、出1間半、幅4間半、2階建てである。ガンギは幅半間で本屋正面表側に片流れ屋根トタン葺き、1階建てで張り出す。下屋は本屋上手側面、下手側面、後中門側面、ガンギ2階の4ヵ所に張り出している。
間取りは整形四間取りで、座敷は表側2室である。仏間は奥の表座敷の妻側に張り出す。2階は物置、寝室、子供部屋として使用している。
当初は屋根は木羽葺きで、ニワ部分であるチャノマの天井はなく吹き抜け、ニワはカマバとして使用されていた。また、20年ほど前に風呂場の下屋を増築した。
土蔵は切妻造トタン葺き、桁行き20尺、梁間16尺、2階建てである。
柱間は2尺割りで、平面のほぼ中央に大黒柱(265mm)を持つ。この大黒柱のある梁間線を境に、コクグラとミソグラに分かれている。現在の出入り口は主屋側にあるが、以前は当屋敷の裏手にあった本家の所有であったために出入り口も現状の反対面にあった。その改造の痕跡として当初出入口のサシモノが残っている。