3 田中正義 屋号 三郎右衛門(さぶろうえん)
小白倉集落内の中央の国道403号線沿いの南側上方に位置し、北面する。主屋は中門造で前後に中門をもつ。建築年代は残っている「記録覚帳」によれば安政5年(1858)に建てられたとある。主屋の背面に土蔵を所有している。
本屋は寄棟造トタン葺きの落雪式屋根、桁行7間、梁間4間で、一部2階建てである。前中門は切妻造トタン葺き、出3間、幅2間半、2階建てである。後中門は切妻造トタン葺き、出3間、幅2間半、2階建てである。ガンギは本屋表側正面に葺き下ろし屋根で2階建てで張り出す。下屋は本屋下手側面、前中門側面、後中門背面につく。
間取りは整形四間取りで座敷はナカノマ・デイ・オクノデイと三室ある。表座敷の妻側に仏間が収まる。
屋根は伝統的なサス組の上に落雪式になるように小屋組を被せている。
当田中家は元和7年(1621)に長野県須坂の勝善寺(浄土真宗)から分家したという記録が残っている。