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2. 検証のまとめ

 

(1)情報の収集・報告者

情報の収集・報告者については、業務の効率化を図るべく、本実験システムでは特に手間のかかる気象情報の収集について自動化を図り、アンケート調査でも効率化されたとの回答が75%に達した。また、結果として業務に携わる時間が以下のとおり半減した。

 

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(2)情報の管理者

情報の管理者についても、情報の収集・報告者と同様に業務の効率化を図るとともに、提供情報の品質及び信頼性の維持、向上を目指すものとし、特に収集情報を一元化及びデジタル化することにより、提供メディアの拡大及び一元管理されたデジタル情報の再利用による編集業務の効率化を図った。

結果としては、各情報収集・報告者への電話による情報収集業務に携わる時間が大幅に減少するとともに、編集・提供の時間は増加の傾向が見られた。この現象は、業務者の情報処理技術レベルの差が露呈したものであり、マルチメディア社会における観光情報の収集から提供の核となる、情報センターの大きな課題と考えられる。しかしながら、実験開始から1ヶ月半後のヒヤリング時においては、業務者のほぼ全員が同等の時間で情報の収集から提供までを処理しているとのことであった。

また、業務の効率化による弊害として、業務スピードを優先したことにより収集情報の品質の向上が図れなかったという点がある。これは、より多くの情報、より新鮮な情報、よりニーズの高い情報を積極的に収集・提供するという当初のPOPAIネットワークの姿勢に戻り、業務の効率化を図りつつ、質の高い情報を収集・提供するという次のステップの新たな課題が発生したものと考えられる。

なお、本実験システムにおいては1年間情報を蓄積することにより、さらに蓄積情報の再利用の度合いが高まり、情報の管理者の情報収集・編集業務の効率を高めるとともに(より情報流通スピードを高めるものである。

 

 

 

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