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(2)松江・出雲テーマゾーンのテーマ,テーマルートの設定

 

・ 「日本の心に出会う旅 三海二山」のテーマに沿って、「三海二山」の変化に富んだ魅力を打ち出している当国際観光テーマ地区の中で、山陰(日本海〉地域に位置する「松江・出雲テーマゾーン」は、

山陰(日本海)地域の自然・伝統美・生活文化から産み出された“日本の心”

を探る旅にほかならない。

 

松江・出雲周辺の観光

 

・ 松江・出雲周辺は、「古事記」や「出雲国風土記」に著されているように、古代から独自の文化を形成してきた“日本文化発祥の地”である。

 

・ 松江市内大庭地区の八雲立つ風土記の丘一帯には、神魂神社・八重垣神社・出雲国庁跡・岡田山古墳などが集積しており、松江周辺地域では、出雲大社をはじめ、熊野大社・揖夜神社・美保神社など出雲神話・伝承にまつわる神社やさまざまな神事、荒神谷遺跡・加茂岩倉遺跡など古代出雲文化の足跡をしるす遺跡・古墳も豊富に存在している。

 

・ 一方、藩政時代に入り、松平氏による230年の繁栄を築いた城下松江では、松平第7代藩主治郷(不昧公)に代表される「茶の湯」をはじめ、和菓子、宍道湖七珍などの食文化、布志名焼などの伝統工芸等の江戸文化が現代の生活文化の中に受け継がれ、松江城天守閣や石積み、縦横に巡らされた堀割と武家屋敷が軒を連ねる塩見縄手の建造物等にも城下町の佇まいを色濃く残している。

 

・ そして何よりも松江は、明治時代の一時期をこの地で過ごした文豪 小泉八雲がこよなく愛し、「知られぬ日本の面影」の中で広く欧米に紹介した「神々の国の首都」であり、八雲によって世界の舞台に立ったと言える。

 

・ 「水の都」松江より望む宍道湖に沈む夕日の美しい景観に感銘した八雲は、日本海の日御碕や加賀港、美保関、杵築の出雲大社などへも何度か訪れ、著書に書き記しているように、出雲全体の自然・風土を愛し、松江と共に世界へ紹介している。

 

・ このように古(いにしえ)のロマンただよう神話・遺跡や江戸の歴史的な生活文化、特有の自然など八雲の見いだした日本の面影の残るさまざまな物語性豊かな観光地である。

 

 

 

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