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となる。OWSとその周辺海域のCOADSデータの平年値を用いて、(2)式によりδT゜が算定でき、また、△T'=0(△T=0)の海域では(7)式によりδT'が求められる。

図2.5にδT゜を求める際に使用したOWSの観測地点を示す。OWSそれぞれの全観測期間にわたる平均値を、同期間における周辺海域のCOADSのMATデータと比較した。山元ら(1989)はδT゜算定の際に1951年〜1980年のCOADSデータを用いたが、OWSは1970年代後半にはほとんど観測していないことから、ここではOWSと同期間のCOADSデータをδT゜算定に用いた。

表2.5に3ヶ月平均および年平均MATデータにおける系統的誤差を示した。暖候季はやや高い値を示しているが、δT゜は-0.02〜0.11℃と年間を通じてほぼ0に近い値を示している。そこで、ここでは年平均MATデータの系統的誤差δT゜=0.02℃とする。

 

表2.5 3ヶ月平均および年平均MATデータにおける系統的誤差

3ヶ月および年平均MATについて,全期間(1947-1980)におけるCOADSとOWSの平均値の差の平均、標準偏差、およびその90%の信頼限界(単位℃)

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1940年代以前ではOWSの観測データが存在しないので、MATの系統的誤差の時間変化成分δT'の算定は、△T'=0の海域を選択し、その近くの陸上観測点のT'LAND を用いて(7)式により行う。その際、△Tの絶対値の小さい海域では△T'=0が成り立つものと仮定する。具体的には1947〜1980年におけるδT゜がほぼ0に近いので、同期間における|△T|≦0.4の地点を選択し、δT'を算定した。また、ここでは、COADSにKoMMeDS-NFを加えたデータセットを解析に用いた。

 

 

 

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