3.1.4 実験の内容
実験は、目的に応じて2通りのものを実施した。
(1) 優先処理の動作確認実験
まず、改良した部分が正常に動作していることを確認するため、同じポケットベルに対して通常呼出しと優先呼出しを10秒程度の時間差をもたせて行い、遅れて発信した優先呼出し情報が通常呼出しした情報よりも早く受信されること(通常呼出し情報は、優先情報の約30秒遅れで受信される)を確認する実験を行った。
(2) 伝達時間測定実験
次に、通常に運用されている状態でどの程度の伝達時間を要するものかを把握するため、1日のうちのトラヒックが多い時間帯を狙って通常呼出しと優先呼出しの双方を複数回実施し、伝達時間を測定した。送信した情報は、98byteの模擬情報である。
なお、実験は、1999年2月16日(火)に有楽町のNTT DoCoMoインフォーメーションラボラトリー(DIL)にて実施した。発信用のパーソナルコンピュータからポケットベル交換機に向けて(DDX-P網を通じて)通常呼出し、優先呼出しのいずれかの情報を発信し、同所にて用意した3台のポケットベル(いずれも同じフレームグループ#15に属するもの)が受信する(具体的には受信音を発する)までに要する時間を測定することとした。(実験においては、次ページに示す経路を通ってポケットベルまで到達するのに要する時間を測定していることから、実際の情報発信にあたっては、ここで測定した所要時間に発信情報を構築する時間が付加されることになる。また、符号化装置は、A社製のものである。)