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審査員講評

早稲田大学商学部教授

杉山雅洋

 

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本日は、審査委員長を務められました東京大学の石谷先生にかわって講評をさせていただきたいと存じます。

今回中心的な話題となっておりますのは、アイドリングストップだったように私は理解しております。各事業者の方々が、広範囲に取り組んでおられる様子がよくわかりました。

まず、運輸大臣賞に輝いた日本通運株式会社の東京航空支店国内貨物営業部の原木集配課の事例につきましては、ドライバーの心を緑化する教育の取り組みということで、その方法が非常に具体的に示されてあり、また積極的に取り組んでおられる熱意が私どもに十分伝わる、そういう内容だったように思います。また、プレゼンテーションそのものが非常に簡潔、明瞭に書かれていたというのも、表彰の対象でございました。

続いて、交通エコロジー・モビリティ財団会長賞は、神奈川中央交通株式会社の「エコドライブ推進の具体的取り組み」と決まりました。バス事業の経営が大変厳しくなっていく中で、環境問題を両立させるというのは非常に難しい、そういう状況下にありながら、環境問題に積極的に取り組み、幅広いアイデアを展開させていったという点が、高く評価されたわけでございます。

また努力賞でございますけれども、四国運輸株式会社の「我が社のエコドライブ」がまず選ばれました。環境問題等に関しまして、周囲の意識がそんなに高くはない状況下にあって、なおかつ車両の大型化に着目した努力を積極的に展開されておられるという点が、評価の対象になったわけでございます。

西日本鉄道株式会社の「エンジンカットを初めとするエコドライブ、省エネ運転のための取り組みについて」につきましては、同社は長期間、アイドリングストップ運動を推進してまいりました。アイドリングストップをエンジンカットという表現を使っておられますけれども、この先駆者だということで、今後もますますこの運動を続けていただきたいという意味を含めまして、努力賞を差し上げたわけでございます。

そして、日本電信電話株式会社の「タコゼロ運動」。実はこれも、アイドリングストップ運動の別名称でございます。同社は、非常に大規模な会社でございます。その大規模なところが、一致団結して協力されているというのは、これからの効果のためにも大変模範になるのではないだろうかという意味で、努力賞ということにさせていただいたわけでございます。

以上、5件の受賞を出したわけでございますが、応募案件はいずれも大変な力作でございました。これにまさる力作を、今後も大いに期待したいと存じます。

 

 

 

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