8つの種類の温泉があることを具体的にどう強調するか。それは例えばお湯の種類を分析し、新たな効能を謳うとか、組み合わせによって効能を謳うことができると思う。つまり健康にいいことをもっとアピールすれば良いと思う。頂いた資料の中でも、ディスカッションの中でも、キーワードとして「ウェルネス」という言葉が使われていたが、「ウェルネス」という言葉は、リラクゼーションの効果があり、医療にも役に立つという健康を意味すると私は理解している。だから皆さんは、お湯の種類の違いをもっと具体的に出して、ある部分の種類の健康を促進をしたいとしたら、この温泉に行って下さいとアドバイスできるようなシステムを作るといいと思う。例えば1番と7番と8番の組み合わせがベストですよというように。あるいは予防医学的に、このような病気の予防をして、体を守りたいとしたら、何番と何番のお湯がいいですよと、具体的な組み合わせを提示する。そうすると魅力がいっそう高まると思う。他の温泉地は1〜2種類の温泉しかないので組み合わせることが出来ない。これがもっと強調されたらいいと思う。
それからお湯の種類が違い、バラエティに富んでいると、お客様としては出来たら全部試してみたいと思うから、滞在期間を長く延ばす可能性がある。だから違いを強調すればするほど、せっかく来たのだから日数を延ばすことを考えるだろうし、何回か来るのであれば、全部を一生のうちには試してみたいと思うだろう。このような選定をされたらどうだろうか。
それと1つの可能性として、これはヨーロッパでよくある方法で、日本でやっているかどうかは知らないが、私たちは「コンビネーションカード」というのを使っている。これはかなり種類が多い。お客様に一定の金額を払って頂き、この1枚のカードで色々なことができるようになっている。例えば、このカードを、温泉カードにする。例えば1日券や1週間券を作れば、そのカードを使っていろんなお湯に入れるチャンスがお客様に増える。それから私の個人的な意見だが、1回お金を払ったら出来るだけたくさんの券を使いたいと思うのが普通だ。だから8湯分、8種類のお湯分のカードを買ったお客は、最低でも6種類ぐらいは使ってみたいと思うから、6種類のお湯に入るために、自然と滞在日数を延長する傾向がある。このやり方はどうだろうか。
それともう1つ、環境問題に触れたいと思う。環境保護の観点から、自動車の利用を減らしバスの利用を増やすため、温泉巡りとバスを組み合わせたらどうだろうか。つまり、先程の温泉カードでバスにも乗れるようにする。車で別府に来たお客は、別府に着いたらホテルに車は駐車させて、自家用車は使わせないようにする。その代わり先程の温泉カードを買って頂いて、そのカードでバスに自由に乗車できるようにしてバスを使ってもらう。すると当然環境的にいいわけだ。あとはもう一歩、先に進んで鉄道をもっと利用してもらうため、鉄道の切符と温泉カードを組み合わせる。別府の場合は、鉄道の駅が市内の便利な所にあるので、それをもう少し一般の方々に分かってもらえたら、車をわざわざ使わなくても、つまり環境的に悪い方法を使わなくても別府に来ることができるとアピールすれば、別府の魅力の一つになると思う。だから鉄道を使って別府に行き、それ以降はバスで移動することで、もっと環境を守ることができる。このようなアイディアも温泉カードと組み合わせてやってみたらどうだろうか。
最後に外国人向けの情報システムについて触れたいと思う。別府に来た外国人にとって一番ありがたいのは、鉄道の駅の中、あるいは一番それに近い場所にあるツーリストインフォメーションセンターを利用できればベストだ。あるいはコンピューター化して、例えば車で来て高速道路に乗っていたとしても、ある地点に来ると別府の情報がコンピューターによって得られ、地図などにホテルの場所が別々の色分けでライトがついてわかるようにする。