2. 本調査の意義と対象路線の位置づけ
前項の調査目的で示したように、自動車型社会の進行の中で、総合交通体系及び地球環境的な視点から見ると、自動車利用から鉄道を中心とした公共交通への転換は重要な政策課題となっている。本項では自動車利用から鉄道への転換を中心とした鉄道利用活性化のメニューの中で自転車持ち込みがどのように位置付けられるかを整理し、更に自転車持ち込み施策を体系化し、その中でのモデル路線の位置づけを整理する。
(1) 鉄道利用促進策の中での自転車持ち込みの位置づけ
鉄道利用促進策は以下の切り口により概略分類することが出来る。
1] 鉄道の輸送サービスを向上させることにより、他の交通手段からの転換を図る。
(スピードアップ、運行頻度の改善など鉄道自体の機能を強化する。)
2] 他の交通手段との連携を強化することにより、鉄道利用の促進を図る。
(パークアンドライド、サイクルアンドライドなど他の交通機関との乗り継ぎを強化する。)
3] 鉄道利用を商品化することにより、鉄道利用を促進する。
(SL等による鉄道自体の商品化、他の観光資源と組み合わせたパッケージ旅行等により利用促進を図る。)
以上の3つの切り口の中で「自転車持ち込み」については、自転車と鉄道の連携という意味では2.に分類され、サイクリングを組み合わせたパッケージ旅行として3.に分類される。