日本財団 図書館


(2) 交通渋滞の緩和

ここでは、道路交通の整流化のうち「交通渋滞の緩和」と取り上げ、P&BRシステム移行に伴う「渋滞長の変化」を推定する。

なお、渋滞長予測の基礎データとして、次節に述べる「交通状況事前調査」データを用いる。

 

1) 交通渋滞発生のメカニズム

ここでは「交通渋滞ボトルネック対策マニュアル(案)」(平成5年3月、財団法人国土開発技術研究センター)を参考に、交通渋滞発生のメカニズム等を以下に示す。

 

a) 交通渋滞発生に関する基本事項

1] 交通渋滞は、交通工学上「交通渋滞とは交通需要(一定時間内に道路を通過しようとする車の台数)が、その道路の交通容量(一定時間内に道路を通過することのできる車の最大数)を超過し、超過分が道路に滞留する現象である。」と定義される。

2] 交通容量の異なる2つの区間があり、上流側区間に比べて交通容量の小さくなる下流隘路区間に交通容量を越える交通量が流入すると、そこを先頭に渋滞が発生する。

→平面交差点、ランプ本線合流部、橋梁部、トンネル部等

3] 渋滞は、交通容量を越える交通量(超過需要)が多いほど早く延伸し、超過の時間が長いほど渋滞長も長くなる。

また、超過需要がなくなっても、渋滞はすぐには解消せず、需要と容量の差だけ渋滞長が減少していく。

 

b) 交通渋滞発生のメカニズム

ボトルネックにおける交通需要と交通容量の関係、及び渋滞発生の時間的経過状況を図2-2-2に示す。

交通渋滞は超過需要が出現する時点から発生し、超過需要が無くなった時点で最大渋滞長となり、超過需要の累積がなくなった時点で消滅する。

したがって、超過需要が多いほど渋滞は早く延伸し、超過時間が長いほど渋滞長も長くなる。

ある時間における渋滞長は、次式で示される。

 

渋滞長=直前渋滞長+(次の時間帯の需要交通量-次の時間帯の交通容量)×平均車頭間隔

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION