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6] より現実的なサービス水準での実施が重要

試行実験として実施する場合には、本格実施時に想定されるサービス水準で、より現実的なサービスを提供することが重要である。既往の試行実験では、無料で利用できる場合が多いが、料金もより現実に即した水準で実施し、実現化のための課題とすることが考えられる。

宇都宮市試行実験では、第1回目の実験は、パークアンドバスライドそのものの紹介に重点を置いていたために、観光バス型の車両を使用し、実験期間も3日間と短く、実現に向けた検討をする上で課題が残った。そこで、第2回目の実験では、第1回実験の課題を踏まえて、1]既存路線バスなどの有効活用により、システム実現化に繋がりやすい実験環境を設定し、2]日常生活のもとでシステムを利用し、評価できるように25日間の長期の実験を行っている。

 

7] 試行実験を1ステップとして継続的な検討が重要

試行実験を本格実施に向けた1ステップとして位置づけ、継続的に検討を重ねて、パークアンドバスライドシステムの改善点を洗い出し、永続的にシステム構築を図り、利用者への定着を図ることが重要である。

金沢K.Parkは、下図のように、2回の試行実験を経て、本格実施に移行している。この事例の大きな特徴は、パークアンドバスライドという新しいシステムへのより広範な理解と協力を浸透させることや、都心アクセス手段の選択性を高めることを重視して、渋滞緩和への直接的な効果が期待できない規模で敢えて実施に踏み切っている点である。

 

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図 金沢K.Parkの継続的な検討プロセス

 

 

 

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