日本財団 図書館


12] 駐車場用地確保と整備・運営・管理の工夫

パークアンドバスライドの駐車需要を十分に収容できる駐車場の規模を確保したり、あるいは、道路渋滞緩和を目標としてマイカー利用の目標削減量に見合うスペースを確保することとなるが、まとまった広さの駐車場の確保は難しい場合が多い。仮に広い土地や駐車場があったとしても、パークアンドバスライドの場合には利用者が自治体境界を超えて広範囲に分布する傾向があることから、誰が整備し、運営管理するかという問題が発生する。

駐車場用地の確保については、遊休地や休日にしか使われない駐車場を活用する方法や、金沢K.Parkのように郊外大規模商業施設の付帯駐車場を活用する方法などが考えられる。

駐車場の整備、運営、管理については、高速道路バス停の多くで見られるように地主が民間駐車場を設置したり、バス事業者自らがバス利用者向けに駐車場を設置するような市場原理に任せる場合が考えられる。しかし、都市内の道路渋滞緩和を目的としたTDMとしてパークアンドバスライドを政策的に推進する場合には、市場原理では動かない場合があることから、行政がバス事業者との協力のもと、整備、運営、管理を主導することが、少なくとも導入初期の段階において必要である。北陸自動車道・巻潟東バス停駐車場のように、関連する自治体が費用を出し合い、駐車場を整備することが考えられるが、市街地内では高額な整備費用が必要となる場合があるため、地方自治体がパークアンドバスライド駐車場を整備することに対して、国の補助制度の新設や拡充が必要となる(尚、バス事業者が整備する場合には、運輸省からの補助整備がある)。

 

<検討上のチェック事項>

□既存の駐車場が利用可能か。

→ ●高架下

●バス会社の車庫

●用水路上

●平日利用の少ない公共施設駐車場 等

□郊外の大規模商業施設の付帯駐車場は活用できないか。

バス停周辺に大規模駐車場をもつ商業施設がある場合には、平日はパーク・アンド・バスライド駐車場として活用することが考えられる。但し、平日でも夕方の買物交通が自動車で行われるような地区では、平日もショッピングセンターは混雑しており、利用できない場合が多い。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION